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・ゴミ箱

 こちらも過不足ない数が設置されている。試合後には、ゲート外で袋を持ってごみの投入を呼びかける係員もいたので、試合後のスタンドやコンコースに紙コップなどが散乱するようなこともなかった。それでも五輪時には、文化の違いからごみを座席下に置いたままにしたり、場内の床にポイ捨てしたりする外国人観戦客もいるのだろうが、そこは目くじら立てないことが肝要かも。

採点:100点(オリンピックでもサッカーW杯のように、日本人観客の“ゴミ拾い隊”が出動するのだろうか?)

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・ピッチ乱入者対策

 世界的なスポーツイベントとなると時折、神聖な勝負の場に乱入して雰囲気をぶち壊そうとする愚か者が出てくる。

 それを防ぐために他の競技場同様、新国立のスタンド前にはピッチに飛び降りることができないよう、ピット(掘り下げられた壕)がぐるりと巡らされている。

わずかな死角を発見 ©河崎三行

 しかし見たところ、わずかに死角があるのだ。ゴール裏スタンド両端の最前列あたりだと、横方向は機材などの搬入口に接しているのでピットがない。しかもそれほどピッチレベルからの高さもないため、飛び降りられないこともないのだ。1人、2人なら取り押さえられるだろうが、数人が連続してことを起こすとどうなるか……。

 あそこは警備員を多めに配置するなど、策を講じた方がいい。

採点:70点(広い世の中には、想像を絶するバカがいることも計算に入れておかなければ)

 スタンドの階段通路とシートは改善の余地ありだったが、新国立競技場は総じて、快適な観戦体験を提供できるスタジアムだと感じた。今後もラグビー大学選手権決勝などのテストイベントを経て、様々なフィードバックが行われていくのだろう。

夕暮れ時はとてもきれいな新国立競技場 ©文藝春秋

 この東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場が、世界中から訪れた人々の心に残る競技場となってくれればいいのだけれど。