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若い世代の就職難解決が急務
それにしても、文大統領は就任初日から人事指名、若年層の就職難を解決するための「働き口委員会」設置を指示するなどスピード感のある動きを見せている。この委員会は、大統領自らが委員長となり、81万人分の働き口を創出すると公約で掲げていたものだ。
文大統領を知る記者が言う。
「見た目の鷹揚な感じとは違って、書類を細部まできちんと見るタイプ。暗記力にも優れ、指示も早いといわれています。待ったなしで崔順実事件で混乱した国を立て直す必要がありますから、これからどんどん国が変わっていくでしょう」
文大統領はまた、今までになく、大統領動静もフェイスブックで公開している。
就任初日、韓国のテレビ局では文大統領の生い立ちから今に至る軌跡をドキュメンタリーで放映していた。中学・高校、大学の同級生らが登場し、高校時代は文在寅(ムンジェイン)ではなく問題児(ムンジェア)と呼ばれ、酒を飲み停学なったエピソードや「情に厚い」「きめ細かい」といったその人となりを話していた。
それを見ていて、そういえばと、4年前の朴前大統領の就任時を思い出した。朴前大統領について語れる友人というのはまったくいなかった。
組閣が確定してからがいよいよ文政権の本格的船出となるが、今まで9年間保守政権では見られなかった、北朝鮮を含む北東アジア外交が繰り広げられることになるのは確かだ。
その時、日本は、どう動き、その準備はできているのだろうか。
2カ月後の7月にはG20首脳会談が控えている。