Bs自慢の様々な企画ユニフォーム

 今年もまた「Bs夏の陣」「オリ姫オリ達」等様々なデザインのユニフォームが発表された。復刻からチェック柄やアニマル柄、地球柄に宇宙柄、鎧の鎖帷子をモチーフにした奇抜なデザイン等々、Bsの企画ユニフォームは実にバラエティに富んでいる。またレプリカユニフォーム付きのチケットも積極的に販売しているので自宅のタンスにBs企画ユニフォームが多数揃っているファンの方も多いと思う。

 この様々な企画ユニフォーム。常連のファンにとっては日常とは違う楽しみを感じる機会であり、またお祭りムードを盛り上げるとても良いツールである。もちろん球団の「大人の事情」による所も大きいとは思うが。

 しかし、ここに来てこの企画ユニフォームに意外な所で被害を被っている存在が出て来た。被害と言ってしまうのはやや乱暴だがイメージ戦略という点での被害。日曜日のローテーション投手、山岡泰輔投手である。

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好投を続けているものの勝ち星に恵まれていないルーキーの山岡泰輔 ©時事通信社

「Bs山岡ここに有り」と主張したいが…

 この山岡投手、ルーキーながらローテーションの一角を任されている何とも頼もしい存在だ。あのダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)が大絶賛した事でも有名で、小柄ながらも150km/hを超える直球とスライダーを武器とする本格派投手である。打線との兼ね合いでなかなか勝利に恵まれず苦戦こそしているものの、本来なら華々しいプロデビューを飾っていてもおかしくない安定の完成度を誇っている。

 では何故その山岡投手がイメージ戦略の被害者なのか。それは中6日の山岡投手が登板するタイミングが毎週日曜日に当たる事にある。どの球団もそうだが、だいたい球団企画のイベントはホームゲームの週末カードに実施される。必然的に金曜日、土曜日、日曜日のローテーション投手が企画ユニフォームに袖を通す機会が多くなるのだ。

 実際、山岡投手はここまで4試合に登板。その4試合とも全て違うユニフォームでの登板となった。1試合目はホーム用ユニ、2試合目はビジターユニ。ここまでは他の選手との違いはないが、3試合目は近鉄復刻ユニ、4試合目は阪急復刻ユニと復刻ユニフォームでの登板である。しかもこのままのローテが続けば次はサードユニ、今後もオリ姫オリ達ユニ、夏の陣ユニと全ての企画ユニフォームに袖を通す事になる。

 ホームユニのイメージがじゅうぶんに定着した金子千尋投手や西勇輝投手ならば何の問題も無い事だろう。しかしこれがルーキーの山岡投手の場合だと少し問題だ。と言うのも、顔と名前を覚えてもらう事が至上命題のルーキーにとって、ユニフォームのイメージが固定しない事は大きなデメリットになると思うのだ。全球団の野球ファンに「Bs山岡ここに有り」と主張する必要があるのに毎回ユニフォームが違う、帽子も違う。他球団ファンが顔と名前を覚えるのに余分に時間を要すのである。

 本人も阪急ユニの印象を問われ「高校の時に赤のアンダーシャツだったのでしっくりくると思う」等とレジェンドの重みからは大きく外れ、やや暴投気味のコメントを残している。あぁ、気の毒だ、やはり被害を被っている……。

 どうか純白のホームユニに身を包んだ山岡投手のヒーローインタビューが、全国ネットの野球ニュースを、全国紙の紙面を華々しく飾ってくれますように。