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非公式な話し合いを求めた女王にメーガンは先手を打った

 女王の決意は恒例のクリスマスの国民向けテレビ演説で明らかにされた。2018年のクリスマス演説では女王の傍らの机上の記念写真で微笑んでいたハリーとメーガンの姿が、2019年のクリスマス演説では机上の記念写真から消えたのだ。「あなたたちをもはや王室の中心メンバーとみなさない」という無言の女王のメッセージだった。

2019年のエリザベス女王のクリスマス演説。机の上にハリー&メーガン夫妻の写真はない ©アフロ

「実は、すでにカナダ休暇出発前から今回の選択的引退をめぐり非公式なやりとりが始まっていたのです。正月明けに2人がカナダから英国に戻り、王室側に性急な要求リストを突きつけた。これに対し、じっくり非公式な話し合いを求めた女王・皇太子に業を煮やした2人が先手を打ち、女王に無断で電撃発表したのです。メーガンはこの展開を見越してアーチーをカナダに残してきたとも言われています」(前出・英王室記者)

 この通りなら、メーガン妃は相当な戦略家だ。

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先手を打ち、女王に無断で電撃発表したメーガン妃(2019年10月、アフリカ公式訪問にて) ©アフロ

「メーガンにとって王室はセレブの延長」

「ハリーとメーガンは、セレブリティとロイヤルティについて大きな勘違いをしています。ロイヤルティには『ノーブレス・オブリージュ』――つまり高貴な者には社会・道義的な義務が伴うのに、メーガンにはそれはどうでもいい。彼女にとって王室はあくまでもセレブの延長で、セレブは即、おカネ儲けにつながる。この勘違いが2人の電撃発表に見事に表れています」(フランス王室誌編集者)

 2人は電撃発表で「高位王室メンバーから引退」するが「引き続き女王陛下を全面で支えていく」と述べ、今後は英国と北米間を往来し選択的に王室活動に参加し、「(王室の)機構内で新しい役割を造り上げていく」と言い、「経済的自立の道を築く」とも述べている。

「かみ砕けばこういうことです。年収のうち、5%を占める国庫からの手当は放棄するが、残り95%は引き続き受給する。女王から贈られた邸宅もキープし、英国内外の警護も引き続き望む。また現在9人で構成する高位王室メンバーからの引退は、窮屈な催し出席は極力減らし、自分たちの財団の儲けにつながるイベントを優先するのが狙いでしょう。同様に『経済的自立の道を築く』の文言には、昨年商標登録したサセックス・ロイヤルのブランド製品販売で儲けようとの魂胆が見え隠れています」(前出・フランス王室誌編集者)

メーガン妃とハリー王子はセレブとロイヤルを勘違い? ©アフロ