正月早々、国際報道を賑わせたハリー(ヘンリー)英王子夫妻の高位王室メンバー引退騒動は1月13日、エリザベス英女王が緊急招集した王室会議で2人の意向を「大筋受諾」と一斉に報道された。ところが会議後に発表された王室声明は、実は女王が爵位剥奪の「伝家の宝刀」を抜くのも辞さないとの無言の決意表明にほかならないとも深読みできるのだ――。

エリザベス女王とメーガン妃のツーショットはもう見られない? ©アフロ

「メグジット」という言葉がすっかり広まった。英国のEU離脱を意味するBritishとexitを合成したBrexitにもじって、MeghanとExitを合わせたマスコミ造語である。これに対してヘンリージットやハリジットという言葉は一向に生まれないこと自体、今回の騒動の主役が誰か、自ずから物語っている。

ニューヨークポストにも「メグジット」の見出し ©アフロ

 1月8日夜の二人のインスタグラム上の「わたしたち辞めます」の電撃発表を受け週末明け、緊急ロイヤル親族会議が招集された。「放置すれば時間を経るほどに事態は複雑になる」(英各紙)との女王の即断だったといわれる。

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 開催地は女王の冬の離宮サンドリンガム・ハウス。ロンドンから北へ車で2時間半あまり。サンドリンガムは、スペイン沖から北上し北海に流れ込む暖流のせいで穏やかな海沿いの避寒地として知られる。こぢんまりと落ち着いた城館は、今回のように一つ対応を間違えば英王室に致命的となりかねぬ微妙な話し合いには最もふさわしい場所だった。