タタンタタンと鉄路を鳴らし、2両編成の列車がゆく。車体を覆うほど茂る草木のトンネルを抜けた先に広がるのは、キャベツ畑に犬吠埼灯台、そして外川(とかわ)の漁師町。全国で順次公開中の『トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡』は、本州東端の町・銚子に住む高校生の椎名杏子(あんず)が町を元気づけるため、銚子電鉄を相手に駅伝大会を開く物語。杏子役の松風理咲(りさき)さんも高校生で、今作が映画初主演となる。
「嬉しさもありましたが緊張もしました。共演する皆さんに積極的に声をかけないと、私がしっかりしないと、って。杏子ちゃんは明るくて一生懸命です。杉山泰一監督からは、仲間と駅伝を成功させようというテンションの高さを意識するように言われていました」
大会前にはいくつものままならない出来事があるが、直向(ひたむ)きさで乗り越えてゆく。
「駅伝当日、タスキとともにみんなの想いが繋がれていきます。沿道で声援をおくる人達は、地元の皆さんにエキストラで協力していただきましたが、心に壁のない温かさを感じました」
高校の仲間、撮り鉄の若者。そして銚電の運転士。それぞれの想いが物語を動かし、人も電車も走る、走る。緑のトンネルの向こうで生きる人とローカル線が織りなす、少しファンタジックな青春映画だ。
映画『トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡』
全国で順次公開中
http://tomoshibi-choshi.jp/