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「材料はスーパーやコンビニで手に入るものだけ」にこだわったレシピ本が主婦に支持された理由

『世界一美味しい手抜きごはん』(はらぺこグリズリー 著)――ベストセラー解剖

2020/02/01
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『世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ』(はらぺこグリズリー 著)

 著者は誰でも手軽に試せるレシピで人気の料理ブロガー。30万部を超す大ヒットとなったデビュー作『世界一美味しい煮卵の作り方』(光文社新書)は、2017年の書店員・料理専門家が選ぶ「料理レシピ本大賞」を受賞。2冊目の著作である本書も好調な売れ行きで、2度目の「料理レシピ本大賞」を受賞し、さらに勢いに乗っている。掲載レシピは100種類。揚げずに作るフライドポテトといった軽いおつまみから、角煮、親子丼のようなメインディッシュ、はたまたアイスやプリンのようなデザート類まで、和・洋・中華のメニューを多彩に取り揃えた。

「これ1冊でさまざまな味を楽しめる、網羅感のある本になるよう、著者にお願いしました。あとは材料の手軽さですね。どこのスーパーやコンビニでも手に入るものだけを使う。たとえば、麻婆豆腐のレシピでは豆板醤を使いませんし、パエリアでもサフランを使わないんです」(担当編集者の田宮昭子さん)

 当初想定した主な読者像は、20代・30代の単身者。ところが蓋を開けてみると、40代・50代の女性に強く響いたという。

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「主婦の方から、旦那さんやお子さんが、『これなら自分もできる』と載っている料理を作ってくれた……という反響がありました。そうやって、ご家族で活用していただけているのかもしれませんね」(田宮さん)

2019年3月発売。初版3万部。現在11刷37万部

「材料はスーパーやコンビニで手に入るものだけ」にこだわったレシピ本が主婦に支持された理由

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