冬になるとトイレが近くなる。電車に乗る前に、念の為と思ってトイレに行っても寒風吹きすさぶホームで電車を待っているうちにまた催してきてしまい、もう一度トイレに行くかそれとも我慢して電車に乗るか葛藤する……。そんな経験、きっと多くの人があるに違いない。今年はホームで寒風に耐えるほどのことはない暖冬ではあるが、冬場のトイレが悩みどころなのは事実であろう。

中央線の4号車が妙に混んでいる……

 で、そんなことを考えながらいつも使っているJR中央線に乗った。すると、なんだか4号車のあたりが妙に混んでいるのだ。平日の昼過ぎ、普段ならばとりたてて混み合う時間でもないのに、4号車の高尾寄りが混んでいる。いったいこれはなんだろうと思ってよく見てみると、普通ならば3人がけの座席があるはずの車両の端っこに見慣れぬものがある。どうやら、トイレのようだ。

トイレの導入が進む中央線のE233系(使用開始は今年度末予定)

 というわけでJR東日本八王子支社広報課に聞くと、「2019年5月以降、順次トイレを設置しています。ただ、現状はまだ使用することはできず、2019年度末以降ご利用いただけるように準備を進めているところ」だとか。導入対象は中央線や青梅線に使われるE233系の4号車だ。ついでに導入目的についても尋ねてみた。

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首都圏の5方面の路線でトイレがないのは中央線だけだったこともあり、サービス向上の一環として導入することになりました」

 5方面というのは東京都心(すなわち山手線)から郊外に伸びる東海道線・宇都宮線(東北本線)・常磐線・総武線・中央線のこと。たしかに、この5方面の列車のうちトイレがないのは中央線だけであった。

 中央線は2023年度からグリーン車を連結するという計画がある。その一環としてのトイレ設置なのだろうと思ったが、増結するグリーン車内にもトイレは設けられるようなのでそれとは別の、いわば“利便性向上”の一環ということなのだと思われる。

 今まではなかったトイレが設置される中央線。トイレが近くて悩んでいる利用者にとってはきっと朗報に違いない。とりあえず中央線ユーザーの知人に聞いてみた。