昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/01/21

genre : ニュース, 社会

中央線ユーザーに聞いた「トイレ設置に賛成? 反対?」

「う~ん、むしろそこだけ混雑が激しくなるんでしょ。端っこの車両とかならまだいいけど、混雑するほうが困りますよ。トイレよりも」(40代男性)

「トイレ? まあいざというときにはありがたいかもしれないですけど、中央線って昼間でもそこそこ混んでるでしょ。だから他の車両に乗っていてトイレに行きたいなあと思っても、たくさんの人をかき分けて4号車まで行くのって無理じゃない? かき分けかき分け移動しているうちに次の駅に着くからそこでトイレに行けばいいし……」(30代女性)

写真はイメージだが、中央線のラッシュ時の混雑率は180%を超えるという。©iStock.com

 確かにそのとおりである。中央線の朝ラッシュ時の混雑率は中野~新宿間で182%(平成30年度)。そんなに混み合っている電車の中に新しくトイレを設えて混雑を悪化させる必要があるのかどうか。ただ、確かに快速なら駅間距離は短くすぐに次の駅に着くが、中央特快に乗れば9分ほど停まらない区間もある(三鷹~中野)。それに中央線のE233系は高尾から先、大月まで運転されることも多い。高尾駅と相模湖駅の間も約9分。それくらいの時間が空けば、トイレを要する人もいるかもしれない。事前に4号車にあるとわかっていれば、そこに乗っておけばいいから安心ではあるだろう。

 そんなわけで、果たしてトイレの設置がいいのか悪いのか。実際にまだ開かぬ中央線のトイレに寄りかかっていた大学生にも聞いてみた。

「朝、満員でしんどくなったらこのトイレに入って座ってればいいんじゃねえの、と思ったりしちゃいますけどね。まあさすがにマナー違反ですけど」

 確かにそんな人が現れそうな気もしないでもない。

そもそも全国の鉄道のトイレ事情はどうなっている?

 さて、これで終わりではつまらないので、他の路線に広げて鉄道のトイレ事情を考えてみることにする。実は、鉄道の車両にはトイレが付いているほうが一般的だ。新幹線や特急列車にトイレがあるのは誰もが知っている。長距離長時間乗り続けるのだからトイレがなければ大いに困る。そして地方ローカル線を走る車両もその多くにトイレがあるし、都市部の路線でも長距離を走る車両にもトイレがある。

湘南新宿ラインE231系(写真)・E233系にはトイレがある

 例えば、首都圏であれば東海道線や湘南新宿ライン、宇都宮線、高崎線などを走るE231系・E233系。これらにはちゃんとトイレが取り付けられており、車両にもよるが中にはグリーン車を含めて4ヶ所にトイレがあるものも。小田原や熱海から東京都心を抜けて北は高崎や宇都宮まで行こうという長距離列車だからトイレは欠かせない。東海道線だって混雑率は191%(川崎~品川、平成30年度)と激混みなのだからトイレのために車内の移動は難しいが、4ヶ所にあればその不安もいくらかは軽減されそうだ。