月50~60人からメシを奢られる「プロ奢ラレヤー」歴3年
僕は現在22歳で、19歳のときに某理系大学を半年で中退したのち、ヨーロッパをほぼカネなしで3か月ほど散歩しに行きました。チェコのプラハではナイフを持った薬物中毒者に追いかけ回されたり、気分で登った謎の雪山で遭難して死にかけたり、オーストリアのウィーン中央駅では難民たちとゴミを漁って生活するなどを経験しました。お金がなかったのでヒッチハイクで移動し、たまたまたどり着いた田舎町で出会った女のコと会って2週間くらいのノリで結婚したりしました(現在は離婚済み)。
そこから日本に帰国したあとは「プロ奢ラレヤー」として、ツイッターを介してだいたい月50~60人ほどからメシを奢られる生活をかれこれ3年ほどやっています。つまり、「他人のカネで焼肉を食べる」のが僕の今の仕事です。そうです。他人の金でメシを食べています。これで、だいたい僕のことを理解していただけたでしょうか。
「どうしてプロ奢ラレヤーなんて活動を始めたの?」
と聞かれることも、もちろん多いです。が、僕からすると「自然に生活していたらこうなった」というだけで、特別なことだとは思っていませんでした。
“奢り依頼”が絶えない日々
ヨーロッパから帰ってきた後は、なぜか僕に興味を持った"友達の友達の友達"みたいな人たちから「メシ奢るから会おうよ」という“奢り依頼”が絶えず、「まあメシ食えるならいっか」という感じで毎日誰かと会って、できた友達の家に泊まるような生活をしていました。
すると少しずつ「あいつメシ奢れば会えるし、面白いよ」「奢ってでも会う価値あるよ」「お前も連絡してみなよ」なんていう形でクチコミが広がり、いつの日からか「あの人、メシ奢られるだけで生きてるんだって。気になる」「私も奢ってみたいな」「ツイッターでDMしてみようかな」なんてことをぜんぜん知らない人からも言われるようになっていました。なんのウケも狙わず、いつもどおり自然とともに生活しているだけの民が、先進国の人々から「あいつらライオン狩っててワロタ」と勝手に人気になる現象に似たものを感じます。確かに、僕もライオンを狩る人は好きです。
そんな経緯で、いつのまにか「プロ奢ラレヤー」になっていた僕なのですが、そんな中「奢りにくる人たちが個性的でなかなか面白い」「せっかく面白いのに、ただ忘れてしまうのはなんとなくもったいないな」「なにかサクッとやれることはないか」と考えるようになりました。