「僕に奢りたい人はDM(ダイレクトメッセージ)ください」

 “他人のカネで生きていく”というモットーを掲げ、見ず知らずの人に奢られるという活動を行う「プロ奢ラレヤー」、22歳。

 Twitter上でつぶやく日々の気づきや、奢りに来た人の奇想天外なエピソードが反響を呼び、フォロワーは2年半で約9万人。彼に奢った人は2000人以上。

ADVERTISEMENT

 その生き方は一見、モラルや常識に反しているように見える。しかし、なぜ人々は奢ってまでも彼に会いにいくのか? その唯一無二の活動の原点を明かす著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社)から一部を抜粋して紹介する。

◆ ◆ ◆

僕に奢るための条件は

 さて、僕の「本業」は「奢られ」である。ツイッターで奢ってくれる人を随時募集しているが、僕に奢ることができるのは、次の条件のうちどれか1つでも当てはまった人だ。

・(ツイッターの)フォロワー5000人以上
・面白い前科あり
・博士課程卒or在籍
・レアな職業(人口5万人以下くらい)
・知り合いに話せない秘密がある
・誰にも負けない好きなものがある
・僕に2万円払う

 DMをくれた人と話をして、面白そうだなと思ったら会う。

 なぜ、こうした条件を提示するのか? そのほうが面白い話を効率よく聞けるからだ。

 奢りに来る人は、実にさまざまだ。漫画家、インフルエンサー、五輪代表、世界チャンピオンなどの超有名人から、裏社会の人、障害を持つ人、外国人まで各界各層まんべんなくいる。毎日毎日、社会の縮図を見ているようで楽しくて仕方ない。

©iStock.com

 流入経路もツイッターだけでなく、人づてに聞いたり、まったく関係ないことがきっかけだったりする。

奢られたときのエピソードをまとめた「奢ログ」が売れる

 そして僕は、奢られたときのエピソードを有料note「プロ奢ラレヤーのTwitterでは言えない話」の中で、「奢ログ」としてまとめている。奢ログとは、僕に奢りにきた“ちょっと変わった人”の“ちょっと変わった話”の面白かった部分を僕なりに抜粋・編集してまとめたものだ。

嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社)

 人と話した内容をすぐに忘れてしまうので備忘録代わりにしているというのもあるし、読者にプロ奢ラレヤーを疑似体験してもらえるという機能もある。腹も満たされるし、仕入れ費用もかからない、だけどnoteにしたら売れる、究極のサブスクリプションだ。

 そんな「奢ログ」から、ウケそうなエピソードをいくつか抜粋して、ダイジェスト的に紹介してみようと思う。