1ページ目から読む
2/2ページ目
ポイント還元制度は「私もまったく理解できません」
安倍首相は消費増税に伴って、キャッシュレス決済によるポイント還元制度を導入した。関連予算は7000億円にのぼるが、これについては「実質的な減税措置だ」とする批判の声も絶えない。
「私もなぜ導入したのか、まったく理解できません。日本は極端な現金主義ですから、日本政府が、国内から完全に現金を排除したいのであれば、話はわかります。でも、そんなわけはないでしょう。キャッシュレス決済を普及させるという目的のために、なぜポイント還元という実質的な減税措置をとらなければならないのでしょうか。全く不可解な制度です。安倍首相の政策には一貫性がみられません」
クルーグマン氏は終始、消費増税をはじめ安倍首相のとる経済政策に懐疑的な視線を向けるのだった――。
◆
「文藝春秋」2月号及び「文藝春秋 電子版」に掲載した、「トランプ再選が世界経済のリスク」では、日本経済だけでなく、今年11月に控える大統領選でトランプ氏の「再選という爆弾」を抱えるアメリカや、米中貿易戦争の影響で経済成長に陰りがみられる中国、いま、リセッション(景気後退)の危機に直面しているEUなど、激動が予想される2020年代の世界経済についてクルーグマン氏が詳述している。
この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
トランプ再選が世界経済のリスク
出典元
【文藝春秋 目次】「消費税ゼロ」で日本は甦る<政策論文>山本太郎/<総力特集>2020年の「羅針盤」/わが友中曽根康弘 渡辺恒雄
2020年2月号
2020年1月10日 発売
特別定価980円(税込)