日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(62)が1月10日、スイス・ローザンヌで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会でIOC委員に選ばれた。

 山下氏は、「文藝春秋」2月号で「news zero」のキャスター、有働由美子氏との対談中にその「重責」の胸の内を語っていた。

©文藝春秋

JOC会長になるなんて全く思っていなかった

有働 山下さんは、昨年6月にJOC会長になられ、この1月にはIOC委員に就任される予定ですね。

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山下 非常に困って悩んでおります。そもそも、JOC会長になるなんて全く思っていなかったんです。

山下泰裕氏 ©文藝春秋

有働 えっ。そうなのですか。

山下 はい。2017年に竹田恒和前会長から「橋本聖子さんの後任で選手強化本部長をやってほしい」と言われた時、「2020年には燃え尽きるつもりでやります。そしてJOCを去ります」とお返事していました。2020年は日本選手団の団長としてオリンピックに関わるだろうと思っていたのです。

有働 それが青天の霹靂でJOC会長になられた。確かに一昨年、一度会食をご一緒させていただいた時には、会長になるようなそぶりをみじんも感じさせませんでしたね(笑)。どんなふうに口説かれたのですか。

有働由美子氏 ©文藝春秋

山下 もう喋ってもいいんでしょうね。3月に竹田さんがJOC会長を退任すると発言された数日後、「ちょっとお会いしたい」と電話をいただきました。