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「なぜ初対面のおじさんの家に」と聞かれて

七崎 本を書いているときに「そもそも、なんで初めて会ったおじさんの家に行っちゃったの?」って編集者に指摘されて、ようやく「あれ、私、ズレてたんだ」って気づいたの。でも、誘われるがままついて行ってしまったのは、当時、ゲイの話をするのに、都会のカフェじゃ人目が気になるって思っちゃったからだったんですよ。

 

もちぎ なるほど、隠れなきゃいけないような気持ちになってしまったんですね。そうやって、社会の目を気にしなければならないから被害が闇に隠れてしまう、さらに被害に遭う機会が生まれてしまう……ゲイの世界ですごくよくあることだと思います。

 今ってSNSがあるから、昔よりマイノリティの姿が可視化されているし、マイノリティ同士でつながりやすくなった。自分たちの世代からすると隔世の感があるけど、かといって若いゲイがその分生きやすくなっているかというと、疑問な部分はあります。

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七崎 私たちなんて、iモードとかEzwebの世代だもんね。今は、格差じゃないけど、自分のセクシャリティを早くから受け入れて楽しい生活をしている子もいれば、傷ついている子たちもまだまだいる感じがします。

(続き「『マイノリティは人生懸けて声をあげろ』はおかしい ゲイ作家・もちぎさんが覆面を貫く理由」を読む)

写真=平松市聖/文藝春秋

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