第1戦・路線対決! わざわざ比較するまでもない大差
<営業距離> 西武 176.6km 阪神48.9km
<輸送人員> 西武 6億4269万人 阪神 2億3423万人
<営業収入> 西武 1011億3000万円 阪神 349億3800万円
鉄道会社にとって最も基礎的な路線網。これを見たら、もう西武のボロ勝ちである。そもそも首都圏に池袋線・新宿線という大動脈を2本持つ西武と、阪神間の本線に支線がちょろっとあるだけの阪神、わざわざ比較するまでもないくらいの大差である。西武の路線はほぼ通勤通学一色なのに対して、阪神は大阪・神戸を結ぶ都市間輸送の機能がある!なんて言ってみてももはや虚しい。
ちなみに、阪神は歴史的に見れば西武よりも遥かに古い。阪神本線は1905年の開業で、私鉄による都市間輸送(インターアーバン)の嚆矢ともされるくらいだ。一方の西武は買収を繰り返して生まれた会社で、現在の西武鉄道の形が固まったのは戦時中。その頃には東京都の糞尿輸送を担い、「黄金電車」の異名まで取っていた。
第2戦 関連事業対決! なつかしの「村上ファンド」と「堤義明」
<主なグループ企業>
西武 プリンスホテル、豊島園、西武プロパティーズ
阪神 阪急電鉄、阪神百貨店、阪急百貨店、東宝
こちらは阪神の圧勝。と言っても、村上ファンドに阪神電鉄株を買収されてあわてて阪急と合併したことによるもので、阪神電鉄単体で言えば目につくものは百貨店とタイガース程度。だからだいぶ下駄を履かされている感も否めないけれど、それでも同一グループであることは間違いない。かつて阪神と阪急はライバル関係。阪急が“阪神より速い”と言いたいがために阪神急行=阪急と名付けたり、プロ野球への参加も阪神への対抗心だった……なんて歴史も今は昔。すっかり手を取り合って、国内有数の企業グループを作ってしまった。
対する西武。西武百貨店あたりもグループ企業かと思いきや、こちらはセゾングループで、1964年に電鉄本社から分離して現在は無関係。堤義明が絶対権力者だった時代には、不動産デベロッパーコクドを中核として政界にまで影響力を及ぼしていたが、堤義明本人の不祥事もあって今では西武鉄道とプリンスホテルを核とする西武ホールディングスとなった。
なお、西武も最近には外資系ファンドサーベラスが株式を大量保有し、「ライオンズを売れ」と言い出す危機があった。このあたりは、村上ファンドに暴れられた阪神と似ているとも言えなくもない。