昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2017/06/15

genre : ニュース, 政治

取り組んでる政策の優先課題が共謀罪なんですよ。あのさあ

 こういう話をするならば、これから高齢者激増で身動きが取れなくなるであろう社会保障費の抑制も含めた財源問題や、失速が懸念されるアベノミクスの先に採るべき経済政策について、もっときちんとした議論が国会で与野党挟んで行われるべきだと個人的には思うわけです。だって、高齢者の年金も医療も介護もいままでの水準を守ってやっていけるわけないじゃないですか、2025年には、日本の人口最大のボリュームゾーンである団塊の世代が、医療費ドカ食い待ったなしの後期高齢者に突入するんですよ。普段は団塊Jr.世代である私たちは「団塊じゃまだな、さっさと死ね」と軽口や愚痴を垂れても、殺しても死ななそうな団塊の元気に安心してた部分はあります。でもさすがに75歳です爺さんですと言われると、そう馬鹿も言っていられない。

 そういう時代のとば口にいまの安倍政権があって、一刻も早く何か手を打とうというところで、取り組んでる政策の優先課題が共謀罪なんですよ。あのさあ。いや、もちろん大事なんでしょうよ。でも他に先にやるべきことがあるんじゃないでしょうか。日本をよりよくする経済政策であり、日本人の老後であり、次の世代を支える出生率であり、秘めたる脅威である北朝鮮問題であったりする、取り組むべき課題が後回しになっているように見えるのは安倍マジックとかなんでしょうか。

 そんなことを悶々と思っている今日のトップニュースは、ジャイアントパンダが出産したとかいう記事でした。馬鹿か。タクシーの中で見た瞬間、変な声とともに鼻水が出たわ。おかしいだろ。すべてが間違ってる。どういうことなんだ。少なくともパンダじゃねえだろ。怒りを通り越して悲嘆に暮れるわ。世の中おかしい。安倍ちゃん頼むマジでこの状況どうにかしろ。

上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」の父親「リーリー」 ©時事通信社

「人柄が信頼できないから」不支持率36%の件について

 そんな中、6月12日付でNHKの世論調査が出ました。支持48%(前回比▲3%)、不支持36%(前回比+6%)とのことですが、微妙。微妙です。しかも、不支持の理由は「人柄が信頼できないから」が最多、一方支持の半数は「他の内閣より良さそうだから」という消去法。おい、お前ら政策はどこにいった。もっとも、いまや日本は完全雇用といわれる状態で、景気もそこまで悪くないならば、食えている日本人が「まあいいか」となっているのは何となくわかります。

 しかし、安倍さんの人柄がイマイチだと国民が思う一方で安倍政権が他の内閣よりマシというのは、単純に代替となるべき野党がゴミだという評価を国民が下しているといっても過言ではない状況です。確かに、最近の民進党とか見ていても、たとえば安倍政権が良くなかったとして蓮舫女史を首相に担ぎたいか? と聞かれると、究極の選択でいう「カレー味のうんこ状態」であって、カレーの味がしてもうんこなんだから駄目だろという結論にならざるを得ないのが難点です。安倍政権への支持率に翳りが見えているとはいえ、民進党の政党支持率はいまだ7.9%(17年6月時点)であって、翳るどころかお前らほとんど新月じゃねーかとすら思います。

綻びを気にする安倍首相 ©杉山拓也/文藝春秋

 一方で、じゃあ自民党内で首相交代だと言っても「これは」という人物不在なのもまた安倍政権を長寿たらしめている要因なんだろうと思うわけですよ。いい人いなさそうじゃん、本格的に。

 そう考えると、安倍さんは確かに馬鹿なのかもしれないけど、経済政策を曲がりなりにも良い形で着地させてはいます。「誰に仕事を任せればそう大きく失敗しないか」を弁えていたという意味で無能ではなかったのかもしれず、世の中の人のおおむね半分が「安倍さんが首相になって、カネ回りはまずまず良いし、世間もそう悪くなってないんだから、まあいいか」ってノリなんでしょうか。

 なんとなく、茹でガエル的に煮立ってきてから気づくことも多いんでしょうけどね。

 しかし他に手もないし、このままいくしかないんでしょうか。ぶつぶつ文句を言いながら。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー