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京都は和風イタリアン! 季節の移ろいを表現する、絶賛の3軒

関西グルメ誌「あまから手帖」編集長が通う「京都、和食じゃない美味い店」

2017/06/24

genre : ライフ, グルメ

“二十四節気”を映すのが今の京都イタリアン

 京都の人は、季節を味わうことに長けている。春ならば山菜や筍、夏なら鮎や鱧、秋は松茸や栗、冬になれば蕪やネギなどの京野菜が出揃う。『CENCI』の坂本シェフが言っていた。「京都の人がその時季何度も口にする旬のものを使って、僕らしさを表現したい」。その方が、この食材がこうなるんだ!と驚いてもらえるでしょ、と。

 90年代は“本場さながら”が喜ばれ、2000年代に“京都ならでは”が発信され、2010年代も後半に入った今、シェフたちは実にナチュラルに京都の旬を皿の上に映している。先日訪れた“菜園”を名乗る『ORTO(オルト)』では、品書きに「穀雨―立夏―小満」とあった。二十四節気で季節を捉えるという意思表示だ。

50種類もの野菜やハーブが味わえるスペシャリテの「菜園」

 50種もの野菜やハーブが味わえるスペシャリテの「菜園」も素晴らしかったが、その夜は「檸檬」という名のリゾットが印象的だった。桜エビのフリットにたっぷりの木の芽。様々な味わいが舌の上で出合い、喉の奥へ消え行くと、「ん?トムヤムクン?」。意想外のエスニックな余韻が痛快だった。

「ORTO」の「檸檬」という名のリゾット

 四季ではなく、二十四節気。それくらいの細やかさで季節の移ろいを表現するのが、今の京都のイタリアンだ。さて、梅雨が明ければ、季節は祭りの夏。今年は京都でどんな鱧のイタリアンに出合えるのだろう、楽しみだ。

中本由美子
「あまから手帖」4代目編集長。1970年生まれ、名古屋育ち。青山学院大学経済学部を卒業後、「旭屋出版」にて飲食店専門誌を編集。1997年、(株)クリエテ関西に転職。「あまから手帖」編集部に在籍する。2001年フリーランスに。「小宿あそび」「なにわ野菜割烹指南」などのMOOK・書籍を担当後、2010年、「あまから手帖」編集長となる。

あまから手帖
1984年創刊。関西の“大人の愉しい食マガジン”として、飲食店情報を軸に、食の雑学、クッキングなど関西の“旨いもん”を広く紹介する月刊誌。最新号は「神戸ハイライト」。開港150周年を迎える神戸の食シーンのハイライトをご紹介。魚の街・明石の新しい動きにも注目を。

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