文春オンライン

2020/01/28

(1)政府に官民挙げて一元的に統括・指揮ができる部署を創設し、要員を確保する。

(2)官民の新型肺炎感染対処のリソース(病院、医療従事者、施設、薬品、研究・専門機関など)を把握し、これを一元的に動員・指揮・運用できる態勢(特に情報ネットワーク)を確立する。この際、2002年11月から2003年7月にかけて発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)対処で得られた知見を活用する。

(3)四面環海の利点を生かし水際作戦を重視する。

(4)最悪のケースでは、防疫や医療支援のために自衛隊の総力展開さえも想定する。 

©AFLO

もはや国家の利益という価値次元では対処しえない

 今回の新型肺炎が「顕著な感染や死亡被害が著しい事態(パンデミック)」に発展すれば、米中貿易戦争と相まって、中国のみならず世界経済に及ぼすダメージは深刻だろう。経済と感染症による深刻なダブル・ダメージが起これば、人類にとってまさに「非常事態」となる。地球温暖化に伴う異常気象などのように、もはや国家の利益という価値次元ではかかる事態に対処しえないのではないだろうか。

 イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリはその著『ホモ・デウス』で「人類はコンピュータアルゴリズムとバイオテクノロジーによって、心・脳・体をアップデートするようなプロダクトが生まれ、『不老不死・至福・神性』を手にするようになる。こうしたテクノロジーの恩恵を享受する人たちはホモ・デウス(神の人)となり、享受できない人たちはホモ・サピエンスにとどまる」という予言(仮説)を提示している。

 人類がそのように進歩発展するというのなら、その前に地球規模で(国民国家を超越して)人類全体として様々な脅威に対処できる体制・態勢を確立することが必須ではあるまいか。将来、人類は「地球市民」という意識なしには生き残れなくなるのかもしれない。

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