ワークマンが2月末日で楽天から撤退する。
楽天が出店者に事実上の送料負担を強いる問題と時期が重なったこともあり、今後、楽天から続々と退店する店舗が増えていくのではないかという憶測が出店者の間でも飛び交っている。
しかし、同時に楽天から飛び出すワークマンが、自社でネット通販を運営できるのか疑問視する声も上がっている。手数料や広告費が発生するとはいえ、楽天ほど集客力のあるショッピングモールは他にない。
果たして楽天から撤退したワークマンに勝ち目はあるのか――。楽天の送料無料問題も含めて、ワークマンの“今後”を検証してみたい。
売上が45%増、営業利益も55%増――絶好調の理由は?
ワークマンが楽天の撤退を決めた理由は、業績が絶好調だという点が大きい。作業着の製造と販売を手掛けるワークマンは、5年ほど前からアウトドアウエアやスポーツウエアの業界に進出。海外の協力工場で高品質で低価格の商品を作る技術を生かして、女性客や若者をターゲットにしたコスパの高い商品を次々に発売していった。
路面店を中心に展開していたワークマンは、2018年に一般向けの商品をラインナップした「ワークマンプラス」をららぽーと立川立飛にオープン。アウトドアウエア3900円、スポーツウエア1900円、軽量シューズ980円など、衝撃的な低価格を打ち出して、一気に消費者の心を鷲掴みにしていった。作業着メーカーが作った商品だけあって丈夫さと機能性は折り紙付き。そこにスタイリッシュなデザインを取り入れたことで、ワークマンの利用客は老若男女問わず爆発的に増えていった。
ワークマンが2019年11月に発表した2020年3月期第二四半期の決算説明会によると、売上高は418億8600万円で前年同月比45.2%増。営業利益も55.1%増と、業績不振にあえぐアパレル業界において、桁違いの伸び率を見せている。増税直後の2019年10月の売上も、前年比30.1%増と、買い控えとは無縁の業績を叩き出している。
店舗数も854店舗(2019年10月末現在)から2025年までには1000店舗にまで増やすという。2019年8月現在の国内のユニクロの店舗数が817店舗という状況を考えれば、いかにワークマンの業績が好調であるかが理解できるだろう。