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【感染拡大の新型肺炎】中国政府が「春節延長」を公表した深刻な意味

2020/01/30

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 国際

 年に一度のお祭りが大混乱に陥っている。昨年末に中国中部で確認された新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている。折しも1月から2月にかけては中国最大の祭典である旧暦の正月、春節の期間。中国からの旅行先トップは日本だというから、日本人としても穏やかではいられない。拡大はどこまで続くのか。 1月24日、世界中の中華街で鳴り響いた、春節休みの到来を告げるクラッカーは、いま振り返れば、新型コロナウイルスの拡散を告げる号砲だったのかもしれない。

 コロナウイルスは顕微鏡で見ると金平糖のように表面からトゲが突き出ており、見た目が王冠(コロナ)のようであるために付けられた名前。大半は人に感染しないウイルスだが、2003年に8000人以上が感染し、うち1割近くを死亡させたSARS(重症急性呼吸器症候群)のように人にも感染する種類が6種類ある。昨年12月に中国中部の武漢で確認された今回の新型ウイルスは、7種類目にあたる。

日本とタイが最初だったのは偶然ではない

新型肺炎の新たな感染者の報告が続くタイで、バンコクの繁華街を用心のためマスクをして歩く観光客 ©時事通信社

 1月初旬時点で発生源とみられる湖北省武漢市で2ケタ台だった患者数は13日にはタイ、16日には日本と、武漢への渡航者を中心に海外でも確認が進み、28日時点で6000人近くの感染を確認、9000人以上が感染を疑われるまでに拡大。死傷者は3桁を突破した。

 日本とタイ。海外で最初に患者が発見されたのがこの2国であるのは決して偶然ではない。中国の国家発展改革委員会によると、1月から2月にかけての春節の帰省ラッシュ(春運)には中国人のべ30億人が移動すると推計される。そして、中国系大手旅行サイト「Trip.com」によれば、その1番人気の旅行先は日本。そして2番はタイ。旅行客の集まる先と患者が発見される先がリンクしているのだ。