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話題の「トリバゴ」はホントに世界一安いホテル予約サイトか、比較してみた

プロが教える「旅の新常識」

2017/07/01
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「ねえねえ、もうそのホテルで決まり? じゃあ、予約をする前に……」日本語の堪能な女性がこのように紹介するホテル予約サイトのテレビCMをみたことがあるだろうか? そう、トリバゴ(trivago)である。

 日本語が堪能なこの女性、ナタリー・エモンズさんはアメリカのシンガーソングライター。ジブリ映画で日本に興味をもつようになり、かつて、USJの『ユニバーサルレインボーサーカス』で主役のキャストとして働いていたことがある。

■売り上げの87%を広告費に投入

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 トリバゴは売り上げの87%をテレビCMなどの広告費に充てるという。株式会社ゼータ・ブリッジの調査によれば、2015年9月には、関東民放テレビ局の2015年9月のCMオンエア実績の素材別ランキングで名だたる大企業をおさえて第1位となっている。どうりでよく見かけるわけだ。

 このトリバゴとはどのようなサイトなのか。そして本当に安いのかを検証してみたい。

■トリバゴとはどんなサイトなのか

 この記事の読者の多くはホテルをネットで予約していると思う。国内のホテルなら楽天トラベル、るるぶトラベル、じゃらんnetなどなど。海外ならエクスペディアやブッキングドットコムなどがその代表例だろうか。これらのサイトは特定の都市のホテルを最安値から順番に表示する。たしかに、どのホテルに泊まるか決めかねているときに、価格などをもとにホテルを探すことができるこれらのサイトは便利だ。

 しかし、同じホテルに泊まるにしても、ホテル予約サイトによって料金はまちまちだ。そこでホテル予約サイトを横断的に検索し、そのなかで最も安い金額のものから表示しようというのがトリバゴだ。トリバゴによれば「200社以上の予約サイトから世界190ヶ国、約130万軒の宿泊施設の料金を比較」するという。

シンプルなトリバゴの画面

■トリバゴはドイツのベンチャー企業だった

 トリバゴの本社はドイツのデュッセルドルフに置かれている。もともと2005年にドイツの大学の同級生4人によって共同創設されたこの会社は、ほどなくヨーロッパで最大のホテル価格比較サイトとなる。その後、2012年にはアメリカのオンライン予約サイトであるエクスペディアが株の過半数を買い取り買収。2016年12月にはナスダックに上場しており、現在もエクスペディアがトリバゴの約6割の株を所有している。

■トリバゴのようなサイトはほかにあるのか?

 複数のサイトを横断的に比較するサイトはメタサーチと呼ばれている。

トリバゴと同じような、ホテルの予約サイトの料金を比較するメタサーチとしてまずあげられるのが、世界最大の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーだ。

 口コミのなかには正直微妙なものも含まれているが、現時点において規模も含めて、ホテル選びの最良の選択肢だといえる。このサイトには、口コミの評価順などにホテルを表示するうえ、そのホテルについて複数の予約サイトの最安値を表示する機能がある。

世界最大の旅行口コミサイト

 このほか、オーストラリアの会社、ホテルズコンバインドのメタサーチの機能はトリバゴとほぼ同内容、対象となる宿泊施設も約131万軒とトリバゴとほぼ同じ規模だ。ただし、利用者数はトリバゴの4分の1程度となる。

 使い方もトリバゴとほぼ同じ。しかし、表示される結果が最安値から順番にソートできないので、一番安いものを探すのに手間がかかる点と、デフォルトは税抜きの価格が表示されるので、表示される価格の結果の右上にある「税別」の文字をクリックして「税込」に修正しなければならない点などがマイナスといえる。

トリバゴとほぼ同じ機能