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村上氏が堀江氏を評価した理由

村上 そうなんだ。いやー、こうやって堀江にいっぱい話を聞いてるけど、いつもなかなかついていけないな。特にITやテクノロジーの分野はわからない。わからないものは人に聞く。人に聞いてもわからない時はある一定の期待値で投資する。それしかない。

 これまでも堀江とはいろんな案件で議論させてもらったけど、最初に出会った時に堀江が言った言葉はいまだに忘れられないんだよ。十年以上前に初めて話した時のこと。

堀江 ありましたっけ?

村上 うちの事務所に堀江の会社の人から電話がかかってきて、「一度対談してください」って言われた。その時は「知らないな、そんな男の子」と思ったけど、面白そうだと思ってOKしたんですよ。

堀江氏との出会いを語る村上氏

堀江 ……ああ、あれはその時にいた社員が決めたイベントですよね。僕は面識はなかったけど、サイバーエージェントの藤田(晋)くんから村上さんの噂は聞いていました。藤田くん、村上さんにサイバーエージェントの株を買い占められて、「買収されそうなんですよ」って悲痛な感じでしたから(笑)。

村上 買い占めてないよ(笑)。あれは、藤田さんが資金調達したのに何に使うかはっきりしないから論理的に説明を求めただけ。今回ちゃんと本に経緯も書いてあるから。

堀江 ま、他人ごとなんで(笑)。

村上 それでイベントに行ってみたら、会社の中の20人ぐらいしかいない小さなスペースで。「なんじゃこりゃ」と思ったけど、でも、あの時の堀江の一言で僕は堀江が好きになったんだ。憶えてないかもしれないけど。

堀江 はい。

村上 イベントの前に堀江の会社の分析をしたら、時価総額が当時30〜40億の本当に小さな会社だった。でも、資金調達したばかりで現金が100億ぐらいあったし、黒字だったよね。しかも、堀江は20数パーセントしか持ってなかったから、イベントの時に「安いね。買っていいの?」と聞いたんですよ。そしたら、「どんどん買ってください。上場した以上は自由です。私は会社を買っていただくことに感謝申し上げます」と言ってくれて。その一言に僕は感動したんだ。結局、時価総額が低すぎて、大きな利益が期待できないから買わなかったけど。

堀江 その後4000億になりましたけどね。

村上 なったけどね(笑)。

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