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世の中を変えるには「とにかく行動すること」

堀江 いまさら変えなくてもいい、というか、すでにいろんなボーダーが溶けていってるじゃないですか。猪子君も同じことを考えているけど、ボーダーがない世界になれば、そういう古い体質の企業なんて自然に淘汰されていきますよ。

 僕がオンラインサロン(HIU=堀江貴文イノベーション大学校)をやっているのは、そういう世界を作るためで。『多動力』が発売されてから、ここ1カ月の入会者の増え方が半端なくて、今1600人いるんですよ。

村上 本にはそのオンラインサロンのメンバーを育てたいとか、相談に乗ってやりたい、もっとはばたかせたいって書いてあったけど、そんなにいい人材が来るの?

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堀江 いい人材が来るとか来ないっていう問題じゃないんですよ。オキュラスVRのパルマー・ラッキーなんて、どこにでもいるオタクの高校生じゃないですか。でも、世の中を変えたわけですよ。世の中を変えるのに何が必要かって、一歩踏み出すことだけなんです。

村上 そういう行動力のある人間がいるの? 

堀江 僕は繰り返し繰り返し、しつこくしつこく「行動することが大事なんだ」っていうことをずっと言ってるわけです。バカでもいいと。だから、比較的他のコミュニティーに比べると行動するやつの割合が高いです。そこである程度のムーブメントができたら、勝手にHIUの外に居る優秀なやつらが「俺もヘルプするわ」ってなるんですよ。

村上 僕もディスカッションすること、チャレンジすることは大切だと思うから、これからは投資の教育をしたいと思ってる。日本はなぜかお金儲けが悪いことという考え方があるでしょ。今日、堀江の話をいっぱい聞かせてもらったけど、やっぱりお金をどう使うかが問題で。僕が投資家になったのも、父親にそういうことを教えてもらったことがきっかけになっている。だから、小学生、中学生に親と一緒に来てもらって、いろんな形でお金の話、投資の話を伝えていきたい。(「お金」の教育について〜小中学生の保護者の方へのメッセージ〜村上世彰オフィシャルサイト

堀江 僕は「もう大学も要らないし、学校教育ってダメだよね」といつも言ってるけど、それもどんどん顕在化してますからね。

 時代を変えるのは、頭のねじが外れたようなファーストペンギンですよ。さらに重要なのは2人目。ファーストペンギンをサポートするセカンドペンギン。とにかく大事なのは1番目でも2番目でも行動することなんですよ。村上さんには「How to start a movement」という映像をぜひ見てほしいですね。YouTubeに上がってるんで。ムーブメントの起こし方を短い動画で表現しているんですけど。

村上 オッケー。今度HIUも見に行くよ。

(了)

 

構成:川内イオ 撮影:榎本麻美/文藝春秋

生涯投資家

村上 世彰(著)

文藝春秋
2017年6月21日 発売

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多動力 (NewsPicks Book)

堀江 貴文(著)

幻冬舎
2017年5月27日 発売

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むらかみ・よしあき/1959年大阪府生まれ。1983年から通産省などにおいて16年強、国家公務員として務める。1999年から2006年までM&Aコンサルティングを核とする「村上ファンド」を運営。現在、シンガポール在住の投資家。今年の6月には『生涯投資家』(文藝春秋)を出版。

ほりえ・たかふみ/1972年福岡県生まれ。実業家、株式会社ライブドア元代表取締役CEO、SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は、ロケットエンジンの開発を中心に、スマホアプリのプロデュース、有料メールマガジン配信、会員制コミュニケーションサロンの運営など、幅広く活躍。今年5月には『多動力』(NewsPicks Book)を出版。