1ページ目から読む
3/3ページ目

安倍首相、ロシアにもお出まし?

 そればかりか、安倍さんがリップサービスかどうかは分かりませんが、今度は旧ソ連(ロシア)戦勝75周年式典に出席するかも知れないというニュースまで出ました。

 いや、さすがによく考えてくださいよ、旧ソ連とロシアは違うとはいえ、ソ連は中立を破って終戦間際に日本に侵攻し、その後にスターリン恐怖政治を行って多くのロシア人を粛清殺害し、米ソ冷戦構造の枠内で長年の緊張をもたらした存在ですよ。ましてや民主主義どころか、その敵たる共産主義国家です。

©iStock.com

 ロシアが祝典をやるときに遠巻きに「おめでとう」ぐらいは言っておくのは良いとしても、まさか式典に日本の総理自らが出席することを検討するなんて声明を出してしまうとは。

ADVERTISEMENT

どうしようもなく光が見えない安倍政権に、ダメ元で

 国内においては安倍さんの長期政権末期になってタガが緩みまくって、話題になるのはモリカケやさくらに加えて補佐官・和泉洋人さんと厚労省・大坪寛子さんの国費を使ったコネクティングルームでのランデブーとかどうしようもない話ばかりで、どれ一個とっても節度ある政権運営とはとても言えない状況にあるのは一目瞭然です。モリカケ問題や「桜」問題が国民の関心事になることそのものが決して良いとは言えないけれど、外交も経済も国内問題も低迷日本を象徴するようにだらしなく、どうしようもなく光が見えない状態になっているようにも見えます。

衆院予算委員会で答弁する安倍晋三首相 ©︎AFLO

 もちろん、苦境の中国との関係改善が米中対立の緩衝材としての日本という独自の地位を保つ結果になるかもしれず、日本が東アジアの安定の一助になれればまだ救われるとはいえ、日本がこれ以上国際社会の安定にコミットできるだけの余力が残されているのか、いま一度足元を見て安倍政権には善処を期待したいとは思います。

 安倍さんも「これでもう経済が駄目になりつつある」というところでコロナウイルスがやってくるという、彼自身にとっては政権を保つという意味で本当に豪運な人だと思うので、ダメ元で期待するほか、国民としてはないじゃないですか。もう。

INFORMATION

 ついにこの日が来てしまった……。文春オンラインの謎連載、特にタイトルがあるわけでもない山本一郎の痛快ビジネス記事が待望の単行本化! 現在、Kindle Unlimitedでも読めます。

2019年5月15日発売!!

 その名も『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』。結婚し、出産に感動するのもつかの間、エクストリーム育児と父父母母介護の修羅を生き抜く著者が贈る、珠玉の特選記事集。どうかご期待ください。