「理解できない人と一緒に何かをするのは、成長だと思うんです」。今週の文春で紹介されるKinKi Kidsの堂本剛の言葉である。

 特集記事「堂本剛 突発性難聴で入院 “硝子の中年”の悲劇」では、先月、歌番組の出演をキャンセルした堂本剛の現在と、KinKi Kidsのこれまでをまとめている。 

 デビューから間もない95年に主演した連ドラ「金田一少年の事件簿」は大ヒット。堂本剛は一躍売れっ子になる。その当時、睡眠時間は3、4時間の毎日で、休みは年に3日もなかったのではないかと関係者は語る。また今回の突発性難聴は、SMAP解散により、今まで以上の活躍が求められることからの、心身への負担が原因ではないかと記事にある。

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 この記事、一見、“ジャニーズ残酷物語”のようであるが、冒頭で紹介した言葉にいたるまでの、堂本剛という、人ひとりの成長譚となっている。

ジャニーズ事務所 ©山元茂樹/文藝春秋

剛と光一、結成20年以上を経てたどり着いた境地とは

 KinKi Kidsのふたり、堂本剛と堂本光一の不仲は昔から有名で、仕事以外では口も利かないという。そもそも性格が正反対で、「ジャニーさんは繊細な剛と負けん気の強い光一という二人の資質を早々に見抜いて指導」し、結果、同じことをしても、剛は褒められ、光一は怒られる。それが不仲を加速させたのかもしれない。

 また、地元・奈良県の友人は堂本剛を「人見知りで人前に出るのが苦手」だといい、そんな性格もあってか、04年のソロコンサートでは、「正直、まだファンには気遣っている。ほとんどの人(ファン)がいらない」とぶちまける。これにはファンも激怒し、堂本光一との溝も深めてしまう。

 それでも時を経た今では「ファンのおかげだ」と感謝を語るようになる。

 また不仲だと言われる堂本光一についても、「光一のことは理解できません」と言ったうえで、「理解できない人と一緒に何かをするのは、成長だと思うんです。本当に、言葉では説明できない関係性というか、信頼関係というか……」と続ける。

 背を向けあっているようでいて、同じ方を向き、同じ道を歩んでいる二人であった。結成から20年以上を経てたどり着いた境地といえる。