「このハゲーーーーーっ!」と罵られる議員秘書の残酷
「このハゲーーーーーっ!」「明日は何が起こるのかな~~~~~ドキドキ~」など、秘書に熾烈なパワハラ・パンチラインを浴びせたことを週刊新潮に報じられ、「目下、自動車会社をしのぎ日本一有名な『トヨタ』」(週刊新潮の今週号のキャプション)になった豊田真由子。
この件を引き合いに出す今週号の飯島勲の連載「激辛インテリジェンス」は、「『このハゲー!』はつらいよ」。コラムはテレビから流れる豊田真由子の「ハゲーー!」の罵声が頭蓋骨に響くと嘆くことから始まり、議員秘書について論じていく。なにしろ飯島は小泉純一郎の秘書を長きにわたって務めた人物である。おまけに立派なハゲ頭だ。
ここで飯島は、理不尽な目にあう議員秘書たちの残酷物語を紹介していき、そのうえでいい事務所の見分け方を披露する。「議員事務所を見るとき、大事な指標は同じ秘書が長く務めているかどうかよ」と。自分の事務所をろくに切り盛りできない者が、まして国家を運営できようかということである。
「ハゲると、思い通りにならないものと寄り添っていかなければならない」
ところで、かつて飯島勲も参加した雑誌の企画「ハゲノミクス ハゲと共に生きてゆく」(文藝春秋・2014年12月号/文春オンラインでは「ハゲ徹底討論『いちいちハゲを気にするな』」に改題)で、経営学者・楠木建がこう説いている
「僕は若いうちにハゲたことに感謝しているんです。というのも、ハゲると、思い通りにならないものと寄り添っていかなければならないから、リアリズム的な考え方が促進される。でもそれはハゲだけにかかわらず、人生の基本ですよね」
堂本剛のいう「理解できない人」だったり、ハゲのような「思い通りにならないもの」だったり、それらと向き合うことで人は成長する。華麗なるキャリアの豊田議員には、それだけの胆力がなかったようだ。