アジアNビート! 懐かしいねえ
――初めてテレビで司会のお仕事をされたのが、『アジアNビート』(フジテレビ系)でしたね。
ユースケ アジアNビート! 懐かしいねえ。僕はバンドで歌ってもいましたけど、司会的な存在でもありました。その流れで、「アジア音楽のチャート番組の司会をやってみないか」という話がきた……とマネージャーに言われて、面白そうだから引き受けることにしたんです。で、局に挨拶に行ったら、なんとそこはオーディション会場だった(笑)。こっちは顔合わせのつもりで行ってるのに。制作会社の人に「『アジアNビート』という新番組が始まりました。君が映りました。さあ、どうする?」とか聞かれたので、「アジア~ン・ビ~〜〜トッ!」とか適当に元気に返していたら合格しちゃったんです。
――そんなことってあるんですね!
ユースケ 『踊る大捜査線』(フジテレビ系)だってそうですよ。あれも「決まったから」とマネージャーに言われて行ったら、やっぱりオーディションだった(笑)。監督とプロデューサーに「よろしくお願いします!」と威勢よく挨拶したんだけど、なんだか様子が変なんです。そりゃそうですよ、向こうはオーディションのつもりなんだから。でも、その時は、僕のテンションの高さに引いてるのかな、とか思っていました。
僕は自分のことを全くマルチだとは思ってないんです
――バンド活動、司会業、俳優業……それらをすべてひっくるめて、現在の“ユースケ・サンタマリア”のイメージが形作られているところがあるかと思います。そういった意味で「マルチタレント」と言われることも多いでしょうが、尊敬する「マルチ」な方はいますか?
ユースケ いや、僕は自分のことを全くマルチだとは思ってないんです。ジャニーズの子たちとか、星野源くんとか、もっともっとマルチな才能を発揮している人たちがたくさんいるでしょ。自分がマルチだなんて、畏れ多くてとんでもないですよ。
――理想の立ち位置みたいなものはあるんですか?
ユースケ タレントであれば「出てなんぼ」なわけだけど、逆に1つのことに集中して頑張っている人に憧れますね。僕ももう「なんでもやります!」みたいな歳でもないので、出る作品もすごく選ぶようになりましたし。というのも、つまらない仕事していると、如実に体調に出るんですよ。ストレスが影響して、心身ともに蝕まれてしまうので、今はもうできるだけ自分が好きなことだけをするようにしています。