Q DMMの社内にも上司を「忖度」する風潮はある?
最近は「忖度」や「ご意向」という言葉が流行語になっていますが、私の会社でも上司の気持ちを察して部下が判断を変えるような「忖度」はよくあります。忖度される側の立場にある亀山さんは、このような風潮をどう思われますか? DMMの社内にもそのようなことはありますでしょうか? (35歳・男性・会社員)
A あるある。今も昔も組織ってのは大きくなるほど忖度するね。ウチも例外じゃないよ。
俺なんかは会社では超権力者だから、「こっちの方が好きだなあ」とか「これは違うと思うなあ」とか言うと、忖度マンは自分で考えずに速攻で実行しちゃう。最近は人が増えて距離ができたから、知らないうちに忖度されてることもあるね。だから、メールするときも、「これはあくまで感想だよ〜w」とか「急ぎじゃないよ〜」とか、一文加えて出すようになってきたよ(笑)。
仕事っていうのは、上司に忠誠を誓うものではなく、自分の職務に忠誠を誓うべきもの。だから、自分の責任範囲内では、上司への忖度など全くいらないものなんだ。でも、それは理想で、上司の顔色はやっぱり気になるよね。みんなも生活があるからね。
ただね。忖度するにせよ、しないにせよ、部下に命令する時は、「上のご意向です」っていうのだけはやめてほしいなあって思うんだ。
ちょっと前に、新入社員から「先日、会長からの指示ということで仕事の優先順位が変更になったんですが、その理由を教えて頂けないでしょうか」と質問があった。確かにその案件は事業部長とはいろいろ議論の結果、変更になったんだけど、その結論の理由も伝えず、「会長のご意向」という一言で現場に指示が出されてたみたい。後日、部長に問い質したら、「その方が現場を動かしやすかったので」と言われて、俺は激おこよ。
彼が俺の考えに賛同したのか、腹落ちしないまま忖度したのかは分からないけど、「わかりました。それでいきます」と言った以上は、やらなきゃならないし、やるからには自分の言葉で実行しないといけない。「上のご意向だから」なんていう、判断も責任も取らない言葉で命令するのはダサいと思うわけ。
俺も今まで、不条理な力に屈したことはあるよ。人生ってのは無力のなかで、妥協しながら続いていくもんだからね。けど、それも含めて自分の判断だからね。せめて、部下には自分の決断と責任で伝えないといけないと思うんだ。
じゃないと、伝言ゲームのように「ご意向」が氾濫して、やがて誰も責任を取らない会社になっちゃう。今回は「会長のご意向」だったから、現場は俺に確認できたけど、これが「会社の」とか「幹部の」とかになると、もう何処行って、誰に理由を聞けばいいのかも分からなくなる。
もし、どうしても納得できない、自分の言葉で言いたくない「上の意向」なら、やっぱりそれは引き受けちゃいけない。「上の意向」を伝えるのはメッセンジャーの仕事だからね。それは自分が責任者であることを放棄する宣言だから。
会社が小さくて潰れるかもしれないってときは、上も下もしっかり仕事するんだよ。なのに、大きくなって潰れないと安心すると、社内での出世争いに変わる。そして、上司が派閥を作ったり、部下が威光を笠に着たりして、会社がどんどんダメになっていくんだ。
大企業病ってのは自然となってく老化みたいなもんだけに、やっぱりトップはそれを放置してちゃいけない。仕事ができるやつより従順なやつを評価する組織は、優秀なやつもただのイエスマンにしちゃうからね。そんな意思を持たないロボットだらけの組織ならAIで十分だよ。
というわけで、DMM取り仕切り役会長として、弊社では「不敬罪」ならぬ「過敬罪」を発令するよ。過剰な忖度をしないで、自分で考え、自分の言葉で言えってね。
「会長のご意向を使うな」という、会長のご意向がでました〜!(笑)
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