Q 亀山会長! 夫婦円満の秘訣を教えてください。

 妻と、子供のしつけについてもめています。礼儀正しく育てたいという妻と、そんなにきつく言わなくてもという私との意見が合いません。それ以外は夫婦円満なのですが、子育てについては昔から考え方が噛み合わず平行線です。どうすれば分かり合うことができるのでしょうか? 平和な家庭の秘訣を教えてください。(40代・男・公務員)

A そんなのは一生無理だね。分かり合えない男女が妥協し合うのが平和な家庭だよ(笑)。

 俺は最近、美容室に行かなくなってね。家でカミさんに散髪してもらってるんだ。どうするかっていうと、髪の毛が落ちるからゴミ袋を床に敷いて、その上にイスを置くんだ。服は全部脱いでパンツ一丁。そしてもう一枚のゴミ袋の真ん中に穴を開けて頭から被るわけ。

 そんな格好で茶の間でTVを観ながら散髪してもらうんだけど、このあいだ準備が出来てさあ今からって時に、オーストラリアにいる娘から電話があったんだ。娘は1年間の留学が終わって翌日帰ってくる予定だったんだけど、「パスポートを荷物に入れて日本に送ってしまった。帰れない」ってね。

ADVERTISEMENT

 うちの娘は我が家では一番のしっかり者なんだけど、そいつがドジったわけよ。無事留学を終えたのに、最後の最後にパスポートがなくて飛行機に乗れないと泣きついてきたんだ。カミさんは娘の電話に、「大丈夫! 飛行機が落ちたわけじゃないから大丈夫!」と言いながらも、あきらかに本人以上に大慌て。

 俺も電話を代わって「学校と宅配業者に連絡を、あと大使館に行って再発行の手続きができるかの確認を」と、まぁ夜中だったんで「とりあえずゆっくり休んで明日動きな」とね。そして、「旅の最後に思い出ができたな。せっかくだからこのトラブルを楽しめ」って元気づけて電話を切った。

 俺が「じゃあ散髪しようか」って言ったら、「何言ってるの、こんなときに!」って、カミさんは日本大使館のHPとか調べだしたんだ。俺は「自分で解決したほうが為になるから、ほっときな」と言ったんだけど、「ほっとけって!? 高校生の娘が泣いているのに、可哀想だと思わないの!」って怒られてね。そのまま寝室に入ったきり出てこなくなった。

 俺はハサミを握りしめたままポカ〜ンって茶の間に置き去りよ。想像してみてよ。50過ぎのオヤジがパンツ一丁でゴミ袋被ったままポカ〜ンよ。

 ポカ〜ンとしたまま考えるに、父親というのは「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と思ってるんだけど、母親はどちらかというと苦労をさせたくない。父性と母性はそのへんの感情が相容れないんだよ。家庭によっては父母逆のときもあるけどね。

 カミさんとは30年の付き合いなんだけど、このへんの違いはいまだ平行線でね。もうこりゃ一生もんだと思う。で、その後どうなったかっていうと、最後は俺が謝りに行くわけ。ゴミ袋かぶったまま「ごめんなさい」ってね(笑)。

 夫婦円満の秘訣は旦那の「ごめんなさい」。そして、子育ての秘訣は夫婦円満よ。だから平和な家庭を作りたいなら、とにかくひたすら謝り続けることよ。「ごめんなさい」って言いながら、怒られない程度に少しだけ自分の意見を言うことよ。

 参考になったかな? ちなみに、結局その日は、散髪してもらえなかったけどね(泣)。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム