Q メディア取材について注意点があれば教えて下さい。
私は某企業の役員で、Twitterではある程度の認知度があります。今回はじめて雑誌社から会社に取材依頼がありました。「会社の宣伝になればいい」かと、お受けしようと思っていたのですが、友人から「思っていたのと違って、悪く書かれたことがある」と聞いて少し不安になりました。亀山さんは多くの取材を受けていると思いますが、メディア取材について注意点があれば教えて下さい。
(会社役員・男性・35歳)
A あなたのSNSは「あなたに興味を持つ人たち」しか見てないけど、メディアでは「あなたのことを知らない人たち」に広く浅く見られることになる。
宣伝目的でメディアを利用するつもりなら、メディアからもコンテンツとして利用されることは覚悟しないといけない。相手さんも商売だからね(笑)。
まず、「取材」というのは、編集権がメディア側にあるということは理解しておこう。基本的に掲載内容の事前チェックはできないし、どのように書くかは記者次第。さすがに言ってもいないことは書かれないけど、言葉尻を取られて面白可笑しくイジられたり、バズらせるために過激なタイトルを付けられることはあるかも。自分で書き直せるSNSとは違うから発言には注意してね。
あと、Twitterをやっているあなたに気をつけてほしいのが、その記事を読むのがいつものフォロアーたちとは違うということ。あなたのSNSは「あなたに興味を持つ人たち」しか見てないけど、メディア(特にTVや新聞)では、「あなたのことを知らない人たち」に広く浅く見られることになる。
いつもの調子で語ってると、自分のフォロアーより許容範囲は狭いし、限られた紙面では真意が伝わらないこともある。「いつもはウケているところで、まさかの炎上~(泣)」なんてことはよくある話だよ。
いずれにしても、メディア出演はよく考えてから決めたほうがいい。タレントや政治家と違って、一般人はメディアに出なくても仕事はできるからね。有名人になればチヤホヤされる一方で、妬まれたりディスられたりと、ろくでもないことが増えるかもしれない。
現代は一億総メディア社会。一旦有名になるとスマホカメラやSNSで監視されて、プライベートはなくなっちゃう。そんな好奇の目にさらされる「有名税」は年々高くなっているし、炎上したときの重加算税もハンパないと思うよ。
顔も出さずに「有名税」を脱税している、俺が言うのもなんなんだけどね(笑)。