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安倍晋三 首相
「自ら国会の場に出て説明する意思がある」

朝日新聞 7月13日

 13日、自民党は野党が求めていた安倍晋三首相が出席する予算委員会の閉会中審査を受け入れる方針を示した。同日、自民党の竹下亘国会対策委員長が民進党の山井和則国対委員長に「必要性を感じない」と一旦拒否していたが、報告を聞いた安倍首相から「自ら国会の場に出て説明する意思がある」と言われたため、一転して受け入れを伝えたという(朝日新聞 7月13日)。

「首相が信頼できない」ヤバい国

 背景には内閣支持率の低下がある。読売新聞が7月7日から9日にかけて実施した世論調査では、内閣支持率が13ポイント減の36%に急落し、不支持率は52%にのぼった。支持と不支持が逆転したのだ。不支持の最大の理由は「首相が信頼できない」。49%という群を抜いた数字だ(読売新聞 7月10日)。時事通信が7月7日~10日に行った最新の世論調査では、支持率29.9%、不支持率48.6%となった(時事ドットコムニュース 7月14日)。

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7月10日付の読売新聞の世論調査では不支持率52%。不支持の最大の理由は「首相が信頼できない」49% ©文藝春秋

 安倍首相が出席する閉会中審査は月内に衆参両院で実施する見通し。先月語った「真摯に説明責任を果たしていく」「冷静に、一つ一つ、丁寧に説明する努力を積み重ねていかなければならない」という約束が果たされるときが来たようだ。

中谷元 前防衛相
「政治家は人の意見を聞く耳が大事。特に『かきくけこ』で人の言うことを聞くべきだ」

毎日新聞 7月7日

 自民党の中谷元前防衛相は、7日のテレビ番組収録で、東京都議選の惨敗について安倍晋三首相に苦言を呈した。中谷氏はかつて加計学園問題や森友学園問題が噴出した際、安倍首相に「焦らず、威張らず、浮かれず、えこひいきせず、おごらず」の「あいうえお」が必要だと忠告していたが、今回は「かきくけこ」。

家内(妻)と「こんな人たち」の言うことは聞くべし

「かきくけこ」とは「家内(妻)の言うこと、厳しい意見、苦情、見解の異なる人、こんな人たち」。最後の「こんな人たち」は、首相が都議選最終日の1日に秋葉原での応援演説で「安倍帰れ」などとヤジを飛ばした聴衆に対して、「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」と言い放ったことに対する皮肉である。

 中谷氏といえば、都議選大敗の要因について「THIS IS 敗因 Tは豊田、Hは萩生田、Iは稲田、Sは下村」と切り捨ててみせた人物(『週刊新潮』7月13日号)。こういう語呂合わせがずいぶんお好きと見える。ちなみに「THIS」の4人に共通しているのは、清和会(清和政策研究会。安倍首相が属する自民党の派閥)所属。「たまたま四人とも清和会ですが、共通しているのは上から目線ということ。誠意を持って、きちんと説明しなければいけません」と指摘している(『週刊文春』7月20日号)。

2016年夏、中谷元・前防衛相から引き継ぎを受ける稲田防衛大臣。中谷氏による敗因「THIS」の「I」である ©産経新聞社

西川公也 自民党・元農林水産相
「具体的に(関係者に)分かってもらうための資料じゃなければ話にならない。国会だったら分からないための資料でも結構だが」

時事通信 7月11日

 11日、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が大枠合意したことを受けて開かれた会合での、西川公也元農水相の“国会軽視”とも見られる問題発言。

“わざと国民にわかりにくい資料を出している”疑惑

 森友学園問題、加計学園問題、「共謀罪」法案の審議など、与党の説明がよくわからなかったのは、「分からないための資料でも結構」と思っていたからなのか! 民進党の山井和則国対委員長も「安倍政権の閣僚の答弁とか、政府の答弁、何回聞いても分からないなと思っていたら、結局こういうことなのかと。わざと国民や野党に分かりにくいような資料を出したり、答弁しているのではないか」と批判した(TBS NEWS 7月12日)。

 西川氏は12日、「国会議員は国会議員で勉強しながら質問しますけど、一般の方々はそうはいかない。そういう意味で、一般の方々が分かりやすい資料を作ってほしいと、こういうことを申し上げた」(TBS NEWS 7月12日)と釈明した。いやいや、「一般の方々」だって国会を見ているわけですから、わかりやすい資料をつくってわかりやすい答弁をしてもらわないと困るのだが。国会なんて誰も見ていないと思ってます?