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2020/02/12

source : 週刊文春デジタル

genre : エンタメ, スポーツ, 社会

野球から離れて残った「家族」

 そして99年に野村氏が阪神の監督に就任し、翌年に克則氏も金銭トレードで移籍する。定位置を確保出来ない息子を見かねた野村氏が息子の移籍を望んだように思われがちだが、むしろ周囲の計らいによって実現したものだった。

 克則氏は巨人を経て05年に楽天に入団し、翌年には野村氏が監督に就任。父子はプロの世界で3度、同じユニフォームを着ることになり、父親は監督時代最後の、そして息子は現役時代最後の所属球団が楽天となった。

 対談の終わりに、克則氏は「プロ入りの時も、引退の時も、親父と一緒で幸せな現役時代だった」と告げた。いつの間にか、沙知代夫人も部屋に戻ってきていた。 

阪神監督の父・克也氏(右)から指示を受ける克則捕手(2001年10月) ©時事通信社

 自分から野球をとったら何も残らない--。常々、そう話していた野村氏だが、野球界から離れても、こうして沙知代夫人と克則氏という大切な家族が残っていた。

「結局、親子で野球をやれたことが良かったのか、悪かったのか。克則だけが苦労したように思う」

 野球人・野村克也ではなく、グラウンドでも野球解説者としての立場でも見せなかった父親・野村克也としての顔がそこにはあった。

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