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楽天市場に人を集めるために年間3000億円
楽天市場の創業期から出店している有力店舗の経営者は、今回の送料無料騒動をこう見る。
「昔は店舗も楽天も一緒に成長できたから、誰も文句を言わなかった。今は店舗もなかなか利益が出なくなり、楽天と同じ方向を向きにくい。しかしウチを含めて、楽天市場を利用して成長してきた店舗は、相応分の負担はすべきだとも思う」
楽天は楽天市場の最大の魅力とされる楽天スーパーポイントに年間3000億円強を投じている。これも楽天市場に人を集めるための投資である。
新聞やテレビが「弱い店舗の代表」とクローズアップする楽天ユニオンは、ユニオンと名乗っているが正式な労働組合ではなく、ネットショップとしての実績も乏しい。しかしメディアではいつの間にか「強い楽天と弱いユニオン」という構図が出来上がり、そこに公取が登場した。
「楽天ユニオンがどんな人々か、メディアの人たちにも一度ちゃんと調べて欲しい」(三木谷社長)
楽天が衰退しアマゾン一択になった時、困るのは店舗と利用者だろう。しかし「剛腕」で知られる三木谷は、何かするたびに叩かれ役だ。その表情には「また俺が悪者かよ」という苛立ちが浮かんでいた。