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逮捕から1年経ち、ようやく優里は“理解”した
妻への“支配”について雄大の供述調書にこうある。
〈優里は最初は結愛への暴力を非難していたが、私の言葉の暴力に洗脳されて意見を言えなくなったのだろう〉
この供述に自覚的に優里が向き合ったのは逮捕から約1年が経過した昨年夏。厳しい日課もしつけも「結愛のため」ではなく、雄大が快感を求めてやっていたことだ――そう理解するまで、それだけの時間を要したことになる。
手記に書かれた優里の心情と、取材によって明らかになった事実を突き合わせたレポート「『結愛ちゃん母』慟哭の手記」を私は「文藝春秋」3月号および「文藝春秋digital」に寄稿した。
書き終えた翌朝に現場に向かうと、アパートは撤去
る。敷地内に一片、黄色い規制線のテープの切れ端が落ちており、そ
手記が、結愛のため、虐待で傷つく者を一人でも減らすため、と願う母親の償いの記録として残ることの意味を、改めて思った。
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目黒虐待死事件「結愛ちゃん母」慟哭の手記
出典元
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作全文掲載 古川真人「背高泡立草」/<特集>医療を歪める「ニセ科学」本庶佑ほか/石破茂「安倍総理よ」
2020年3月号
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