実は「すきやばし次郎」のすし完食
「すきやばし次郎」の小野二郎氏と息子の禎一氏が、日本外国特派員協会での講演で「オバマ大統領は、出されたものはすべて召し上がった」と話したのである。
《「寿司を残した」とする報道については「官邸やホワイトハウスからコメントするなと言われていたので黙っていました。お出ししたものは全部召し上がって頂いて、喜んで頂いたので、ありがたく思っています」と話した。》(The Huffington Post2014年11月4日)
なぜ「すきやばし次郎」のすしを完食したと言ってはいけなかったのだろう。なんの配慮だったのか。
過去に安倍首相はポーランドでの和食レセプションに日本から有名料理人を帯同したことがある。メンバーには「銀座久兵衛」もいた(2013年)。首相のお気に入り店の一つであることがわかる。
そして一昨年、元大統領となったオバマ氏が来日したときは「久兵衛」で会食している。
「オバマ氏『ハイ、シンゾー』 首相と銀座のすし店で昔話」(朝日新聞デジタル2018年3月25日)
首相からすれば「念願」の久兵衛での会食だったのかもしれない。
ここまでが2013年~2018年までの「首相とすし」の読み比べである。
このあと2019年11月に「桜を見る会」問題が勃発した。首相の「前夜祭」も注目され、野党議員らからホテルニューオータニの前夜祭に出されたすしは「久兵衛」のものではないかという指摘が出た。
私からすれば2019年になってまたしてもすしネタが出てきて驚いたのである。
首相が「ウソつき」と怒った根拠
すると産経ニュースが11月15日の夜、次のように報じた。
「桜を見る会 高級寿司『銀座久兵衛』主人が『うちは出していない』」(産経ニュース)
《東京・銀座の高級寿司店「銀座久兵衛」主人の今田洋輔氏は15日、産経新聞の取材に対し、首相主催の「桜を見る会」の前日に行われた安倍晋三首相の後援会の夕食会で、同店の寿司が振る舞われたとする一部報道について「うちの寿司は出していない。過去何年も調べたが、出ていなかった。報道は間違いだ」と述べた。》
「銀座久兵衛」は「出していない」と産経に答えたのだ。
おそらく首相はこのニュースをもとに、夕食会の問題を追及した立憲民主党の黒岩氏を冒頭の衆院予算委で「ウソつき」と批判したのである。ここまでの流れで「首相と久兵衛」は大ネタであることをおわかりいただけるはずだ。