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2020/02/20

genre : エンタメ, 芸能

 散歩の途中、のどが渇いたので、水を自動販売機で買うことにした。ただ、いつもは付き人が買ってきてくれるので、自分では自販機で物を買うことはほとんどない。そのためちょっとドキドキしながら200円を入れたのだが、落ちてきたペットボトルが中の蓋と受取口のあいだに斜めに挟まってしまい、取ろうと思っても指がうまく届かず取り出せない。

《しばらくやっても、どうしても取り出せなかったから諦めて、また歩き出したんだけど、やっぱりノド渇いてるんですよ。またすぐ自動販売機があったんで買ったら、今度は普通に取り出せたんですけど、「あれ? 俺さっきのお釣り貰ってねえな」と。(中略)もし取りに戻った時に、誰かがペットボトル持ってて、お釣りも拾ってる瞬間だったら嫌じゃないですか。(中略)そんなこと思って、ニヤニヤしながら散歩してました(笑)》(※1)

 何気ない話にも思えるが、そのときの志村けんの困惑する様子などを思い浮かべると、こちらもついニヤニヤしてしまう。彼が想像したとおり、お釣りを取り忘れたのに気づき、さっきの自販機に戻ったら、誰かがペットボトルと一緒にお釣りもくすねようとしていたというオチにすれば、そのままコントになるのではないか。相手役がダチョウ倶楽部の上島竜兵なら、なおハマりそうだ。

新歌舞伎座「志村魂」での志村けんとダチョウ倶楽部の上島竜平

高校卒業後、ドリフターズに入った理由とは?

 志村けんは1950年、東京都東村山市に生まれた。中学生のころからお笑いの道に進もうと決め、高校卒業を前に、コント55号とザ・ドリフターズのいずれの門を叩くか迷った末、後者を選ぶ。本人によれば《結局、僕はビートルズが大好きで、真似してギターを弾いたりしてたから、音楽の要素が入ったものをやりたい、その方が笑いにも幅が出るだろうと思って、ドリフを選んだ》という(※4)。