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志村けん70歳に 幻の「志村けん死亡説」のとき、母親からきた電話の中身とは?

志村けん70歳に 幻の「志村けん死亡説」のとき、母親からきた電話の中身とは?

2020/02/20

genre : エンタメ, 芸能

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“ギラギラ”バカ殿がいつの間にか“好々爺”に

 志村によれば、《とにかくキャラクターを大切にすること。徹底的に好きになること。そうすれば、ひとみばあさんはこういう喋り方をする、こんなことはしない、というのが自然とわかるようになるから。キャラクターが成長するし、厚みも出てくるんです》という(※7)。別のところではまた、《おばあさんのマッサージネタなんか、どんな人とやっても変わりますから、何回やってもおもしろいですね》と、同じキャラでコントを演じ続ける醍醐味を語っている(※8)。

 同じキャラでも、相手によってコントの内容が変わってくるのは当然として、志村自身が歳をとることで熟成されるところもあるだろう。バカ殿も、若いころはギラギラしていたのが、いまや家臣の役などで登場する若手芸人を温かく見守る好々爺のような雰囲気を感じさせる瞬間がある。

 自分がメインの番組以外、ドラマや映画に出演することはほとんどない志村だが、ここへ来て山田洋次監督の新作『キネマの神様』で菅田将暉とW主演を務めると発表された(今年12月公開予定)。映画出演は高倉健との共演が話題を呼んだ『鉄道員(ぽっぽや)』以来、21年ぶりということになる。「哀愁が好き」という志村が、人情喜劇を本領とする山田監督と組んで、果たしてどんな新たな姿を見せてくれるのだろうか。

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1998年撮影 ©文藝春秋

※1 『クレア』2018年6月号
※2 『AERA』1988年6月28日号
※3 志村けん『志村流』(マガジンハウス、2002年)
※4 志村けん『変なおじさん』(日経BP社、1998年)
※5 『週刊現代』2005年11月19日号
※6 『プレジデント』2006年4月17日号
※7 『ターザン』2018年7月12日号
※8 『週刊朝日』2001年6月15日号

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