福田康夫 元首相
「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」
共同通信 8月2日
共同通信のインタビューに応えた福田康夫元首相の言葉。加計学園問題や森友学園問題などを踏まえ、安倍政権下の「政と官」の関係を痛烈に批判した。
「能力のない人がえらくなっており、むちゃくちゃだ」
福田氏は2014年に発足した内閣人事局に関し、「政治家が人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」との認識を示した。中央省庁の公務員の姿勢についても、「官邸の言うことを聞こうと、忖度以上のことをしようとして、すり寄る人もいる。能力のない人が偉くなっており、むちゃくちゃだ」と指摘。「自民党がつぶれる時は、役所も一緒につぶれる。自殺行為だ」とも述べた(東京新聞 8月3日)。
安倍政権が設置した内閣人事局は、各省庁の幹部人事を一元管理しており、加計学園問題でも中心人物の一人と見られている萩生田光一官房副長官が局長を務めていた。
安倍政権への批判は自民党内部からも起こっている。村上誠一郎元行政改革担当相は30日放送のBS-TBSの番組で、安倍政権の支持率急落に関し、「お友達を優遇し過ぎた。安倍晋三首相の身から出たさびだ」と述べた(時事ドットコムニュース 7月30日)。
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中川俊直 衆院議員
「“一度でいいからウエディングドレスを着てみたい”という(彼女の)願いが叶ってよかったなと思っておりました」
『週刊新潮』8月10日号
今年4月に女性問題を理由に経済産業政務官を辞任後、自民党を離党した“魔の2回生”中川俊直衆院議員が7月29日、地元の東広島市で問題発覚後、初めての会見を行った。
愛人との不倫、愛人とのハワイでの“重婚挙式”、愛人との別れ話がこじれてストーカー登録、前川恵衆院議員との不倫疑惑(本人は否定)などのスキャンダルが噴出。4月下旬から国会本会議も欠席し、3カ月以上にわたって公の場に姿を現していなかった中川氏。がんで闘病中の悦子夫人は、4月に「本当にこのたびは主人によって大変ご迷惑をおかけしたことを、主人ともども私もお詫びします」と正座して深々と頭を下げていたが(ハフィントンポスト 4月21日)、なぜ裏切られた夫人だけが謝罪して、本人が公の場に出てこないのかが疑問視されていた。
名刺に「私は不法行為をしていません」
だが、今回の会見では「生き恥をさらしても、どんなに多くの方にお詫びで頭を下げようとも、郷土の思いを国政に届けていきたい」と涙ながらに続投宣言。次期衆院選の出馬に意欲を示した。また、がん闘病中の夫人については、「直接の交際期間中に家内ががんだったというのは違う」と抗弁。しかし、中川氏は以前、『週刊新潮』の取材に対して、昨年末まで愛人と肉体関係があると認めている。さらに、女性とハワイで“重婚挙式”の写真を撮った際の心境を問われると、「願いが叶ってよかった」とコメントしてのけた。この人の頭の中は何かが決定的にズレている。
この1カ月で2500軒ほどの支持者を訪ね、お詫び行脚をしたという中川氏だが(時事ドットコムニュース 7月29日)、その際、配布していた名刺には直筆で「私は不法行為をしていません」と書かれていたという(「週刊新潮」7月6日号)。不法行為でなければ何をしたっていいわけではあるまい。これで国会議員を続けるつもりなの?