小泉進次郎、東出昌大、そして鈴木杏樹——。今年も「不倫報道」がメディアを席巻。なぜ、人は恋することを止められないのでしょうか。

「news zero」でキャスターを務める有働由美子さんが、現在『恋する母たち』(「女性セブン」で連載中)で、母親たちの禁断の「よろめき」を描く、漫画家の柴門ふみさんにお話を伺いました。

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「恋」は母親をも変える

有働 『恋する母たち』は、私立の名門高校・麻蔵学園に子どもを通わせる3人の母親が主人公です。夫が失踪してシングルマザーになった石渡杏、弁護士の夫を持つセレブ妻の蒲原まり、バリバリのキャリアウーマンの林優子。境遇の異なる3人が、子育てや夫婦生活で忘れかけていた「ときめき」を思い出し、妻として、母として、そして女性として葛藤しながら生きる物語です。連載開始から4年目ですが、3人の恋がどんな結末を迎えるのか、読者をぐいぐい惹きつけて離しません。『東京ラブストーリー』や『あすなろ白書』などを描き、「恋愛の神様」と言われる柴門さんが、なぜ今回は「母親」をテーマにされたんですか。

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累計16万部のヒット作『恋する母たち

柴門 私も2人の子がいて、学校行事などでたくさんの母親と知り合ったのですが、若い頃はどんなに恋多き女でも、子どもを産んだ途端に子育てに没頭し、恋愛に見向きもしなくなる人が何人もいたんです。男性は子どもが生まれたからといってそんなには変わらない。どうして女性はこんなに変わるんだろうと思ったのがきっかけです。

有働 でも、母性全開だった母親たちも、ふとしたきっかけで恋に落ちてしまう……。

柴門 そうなんですよ。子育てで女を忘れたのかと思っていたら、10年くらいのブランクがあっても男性から声をかけられると恋心が再燃してしまうんです。しかも、男を軽くあしらっていた20代じゃなくて、初恋をした中学生くらいに舞い上がっちゃう。それが面白くて、いつか描きたいと思っていました。でも、どのぐらい読者に受け入れられるかは全く自信がなくて、祈るような気持ちで描き始めました。

有働 主婦層からクレームがあったりもするんですか。