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 日本との歴史がからむ記念日の演説で、文氏はこれまで露骨に日本を批判することはなかったが、今回はこれまでの演説の中で最も日本と協力する意思を鮮明にした。韓国が非常事態にあることを素直に認め、感染問題での日本との連携姿勢を示したわけだ。それほど、韓国は現在、感染拡大で大変な状況に直面している。

 いま最も重要なことは「感染者の増加を抑えること」のはずだ。だが、韓国メディアには別のことを気にしているきらいがある。国際社会からの目だ。

 韓国からの入国者を規制・制限している国は少なくとも80の国・地域に増えている。韓国外務省は各国にウイルス感染防止への韓国政府の取り組みを説明し、入国禁止などの措置を控えるよう求めている。日本を含む各国の駐韓国大使を呼び、苦言を呈し要請したという。

 「3・1独立運動」から101年の記念式典に参加した文在寅大統領(中央) ©AFLO

 とはいえ、どの国にとっても最も重要なのは自国民の安全確保だ。それが保証されない限り、懇願されても韓国の要請は受け入れられない。

 そんな韓国政府の姿勢が、韓国メディアにとっては実に歯がゆいようなのだ。

「韓国国民がイスラエル、ベトナム、モーリシャスなどで受けた待遇は恥辱的だった」「外交当局、政権の中国に対する態度は消極的というより卑屈にも感じられる」(中央日報社説、2月27日)といった報道にも、その思いが滲む。「フォビア(恐怖症)の拡散で傷ついた国民の心」(中央日報)と、直接的な表現で本心を吐露している記事もあった。

 日ごろ、歴史認識問題などで「日本が国際的に孤立している」と一方的に報じる韓国メディアは、実は自国の国際社会での孤立や疎外を非常に気にしている。実は傷つきやすいのだ。