昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「1万円で会社とサヨナラ」まだ見ぬ天職と出会う“戦略的撤退”としての退職代行

『明日から会社に行かなくていい 退職代行マニュアル』より #2

2020/03/09

退職代行がよりよい人生を送る助けになれば

 現在はまだ、退職代行に対しては批判的な見方が主流です。世間の多くの人は、辞めたくても辞めずに我慢をして働き続けた人ですから、退職代行に対し共感が得られないのはわかっています。

 今、我慢をしていて、いつか「この会社で働き続けてよかった」と思う可能性はもちろん、あります。でも、あくまで可能性の話であって、ほかにも会社は無数にあります。ほかの会社なら、我慢することなく楽しく働けるかもしれません。貴重な人生の時間を我慢しながら過ごすことはありません。

 大きな選択をするとき、よく「後悔しないほうを選ぶ」と言います。でも、実際はどちらを選んでも多少の後悔はあるでしょうし、どちらを選んでも、幸せになる可能性はある。だとすれば選ぶべきは、より後悔の度合いが少ないと思われるほうです。

 実際に働いてみないと、自分にどんな仕事、どんな職場環境が合っているのかはなかなかわかりません。経験を活かして転職活動をすれば、いい就職先は見つかるものです。より自分に合った仕事や職場を見つけ、よりよい人生を求めてもらいたいと思っています。

©iStock.com

利用者のなかには重度のリピーターも

「退職代行を使い出すと、歯止めが利かなくなるんじゃないの?」という指摘もあります。弊社をはじめ、いくつかの業者はリピーター割を導入していて、退職代行の利用者のなかには重度のリピーターもいます。

 弊社の場合、ほぼ毎月利用してくださり、先日、5回目の利用をいただいた方がいます。アルバイトとはいえ雇う側からすれば厄介な地雷のような存在ですが、見方を変えれば、退職代行の利用は新しい勤務先に基本的にバレないということでもあります。

 こういう人は「辞めグセ」がついていると世間から批判されがちですが、本人がどの程度思い悩み、代行を利用しているかは本人にしかわかりません。「仕事を軽んじている」と、ネガティブに捉えられるかもしれませんが、自分のからだと心の健康を大切にしているとも言えます。人生において優先順位をつけるのは当然のことです。

 どうしても辞めたい人を無理にそこに残らせても、誰のためにもなりません。精神的、肉体的に追い込まれたりするくらいなら、何度でもご依頼いただきたいと思います。