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「各国が自国民と外国人の命と安全、健康を守り、地域と世界の公衆衛生の安全を保つため科学的で適当な措置を取ることは理解できる」(趙立堅外務省副報道局長)

「(入国管理の強化は)各国の共通認識」(中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報)

 感情的な反応を示した韓国とは違い、今回、中国は冷静で現実的な姿勢を見せている。

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「防疫以外の意図があるのではないか」

 今重要なことは、韓国だけでなく日本をはじめとした世界各地で感染を拡大させないことだ。日本政府が中国と韓国に対して入国制限を強化した理由も、そこにある。世界的に状況を深刻化させないための“仕方がない”措置だ。しかも、今回の措置は永久に続くものではない。

 にもかかわらず、韓国政府は日本政府の措置を「悪意」と決めつけている節がある。

 韓国外務省は「防疫以外の別の意図があるのではないかと疑わざるを得ない」と早々と立場を表明し、康外相も「背景を疑わざるを得ない」と呼びつけた冨田大使に語っている。

康京和外相(右)は冨田浩司駐韓大使を呼び出し、日本の入国制限強化に抗議した(3月6日) ©AFLO

 いわゆる元徴用工の問題、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄示唆、対韓輸出管理厳格化に反発した日本製品不買運動。一連の韓国がとった行為の恨みとして、日本が“嫌がらせ”をしていると思い込んでいるようだ。

 日本政府の措置が、韓国だけを標的にした「特別の意図」に基づくものでないことは、中国も対象にしていることからも分かる。中国と韓国で感染が確認された人は、世界で1番目と2番目に多いという現実にも基づいている。

「韓国の検査は世界最高レベル」というプライド

 韓国が日本に対して感情的な態度を見せている背景として一つあるのは、自尊心の問題である。

 いま韓国は1日1万件以上の新型コロナウイルス検査を行っているという。韓国では約7000人の感染者が確認されてはいるものの、検査の母数が多いための結果で、韓国メディアでは「同様の検査をすれば、日本の方が韓国よりも多くの感染者が出てもおかしくない」と伝えられている。

 つまり、質・量ともに感染への対処では、韓国が日本よりも優れているとの自負があるのだ。

 韓国では「韓国の検査が世界最高レベルで、検査の規模や検査結果の透明性は、世界が新型コロナウイルスの特性や致死率などを把握する上で役立っている」(丁世均首相)などと、政府もメディアもこぞって自国の対応を自賛している。

 そのプライドが、日本政府による入国制限によってズタズタに傷つけられたと思い込んでいるようなのだ。韓国政府から聞こえてくる以下の言葉が、そのことを示している。