「(日本政府の措置は)非友好的なだけでなく非科学的だ」(康外相)
「韓国政府の感染拡大防止の成果が出ている中で……」(同)
「初期に患者を見つけ出そうという韓国政府の努力を日本が十分に考慮したとは考えづらい」(保健当局者)
「疎外感」に苛まれる韓国
韓国の自尊心が傷ついているのは日本の措置のためだけではない。先述のように、100以上の国・地域がすでに韓国からの渡航者の入国を制限している。
中国・武漢での感染が騒がれ始めたころ、世界の目は中国に注がれていた。また、大型クルーズ船が横浜港に寄港した際、韓国はまさしく対岸の火事を見るかのように日本の状況を見ていた。
ところが、今や韓国は世界から中国や日本と同等にみなされ、中国からさえも韓国人は隔離されている。
「2カ月前まで韓国は189カ国にノービザで入国できたが、今では反対に韓国が忌避対象になった」(朝鮮日報3月6日付「社説」)
「中国の顔色をうかがおうと韓国だけが防疫の扉を開け放っているうちに、全世界で孤立無援の身になるという、とんでもない事態が起こっている」(同)
中国に強い対応ができていない韓国政府、文在寅政権への批判は韓国国内でも強い。
恐れるのは「アメリカの入国制限強化」
その韓国が今、恐れていることがある。それは韓国からの入国制限をする国がさらに増えること、中でも米国の動向だ。
トランプ米大統領は、「韓国などを綿密に注視している。適切な時期に決定する」と口にしているが、日本に加え米国までが韓国人の入国を阻めば、韓国の安全保障や経済への悪影響は不可避だ。この何としても避けたい事態については、すでに韓国メディアも懸念を報じている。
日本への猛反発は、韓国が日本を相手にしたときに必ず示す「被害者意識」が根底にある。外部からうかがえる以上に、今の韓国は疎外感に苛まれている。そんな時に当たり散らすことができる対象は日本しかなかったということなのか。
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