新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため、日本政府が韓国に対する入国制限に踏み切ったことに、韓国政府が反発している。
日本政府が3月5日に入国制限強化を発表すると、翌日には康京和外相が冨田浩司駐韓大使を呼び、直々に「速やかな撤回」を強く求めたほか、即日、日本人への短期滞在用(90日以内)の査証(ビザ)免除の停止を発表するなど、立て続けに異例の対応を見せた。
韓国側の感情的な反応は、日本に対する対抗措置というより、もはや"報復"措置の色合いが露骨に出ている。そこには、韓国特有の日本への感情があるようだ。
なぜか日本だけに猛抗議
日本の入国制限強化に対して、韓国がここまで反発している理由は、表向きには次のような点が挙げられている。
「韓国政府の感染拡大防止の成果が出ている中、不適切だ」(康外相)
「韓国は入国制限を課していないのに、日本側が一方的に入国拒否に踏み切った」(外務省)
「韓国政府との十分な事前協議がなかった」(大統領府)
「日本の防疫対応は韓国に比べて脆弱だ」(外務省)
ただ、これらの「公式な抗議」の理由は、日本にだけ当てはまるものではない。韓国では、感染者増加により、すでに100以上の国や地域が韓国からの渡航者の入国を制限しているのだ。
日本と同じ3月5日には、オーストラリアも韓国からの入国を制限すると発表している。韓国の言い分でいえば、日本だけでなくこれらの国々にも韓国政府は対抗措置をとるべきだろう。
今回、韓国と同じように日本が入国制限の対象とした中国の反応は、全く異なる。