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コインを1枚1枚出していく芸

「コインを1枚1枚、アソコから出していくんですよ。彼女の芸は力任せではないんです。私も挑戦してみましたが、何枚かまとまって出てしまって、1枚ずつ出すことはできませんでした。もう15年ぐらい前になりますかね。今度コツを教えてあげる、と言われたんですが、知らない間に引退してしまいました。コインを出す芸は習得したかったですね」

「コインを出す芸は、ストリップの世界では失われてしまったんでしょうか?」

「もうやれる人はいないと思います。他にも金魚を出す、お客さんに白か黒か言ってもらってから、言われた方の碁石を出すなんて芸もありました」

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「碁石ですか。白と黒、どう選び分けて出すんですか?」

「こればっかりはやったことがないので、想像がつきませんね」

「習字もやりますが、字は難しい」

「ご自身がレパートリーとしている芸には、どのようなものがありますか?」

「ラッパ、鍵盤ハーモニカを吹く、吹き矢、タバコを吸う、リンゴを切るといったところでしょうか。習字もやりますが、字は難しい。私は書道をやっていなかったから、下で書いても下手なんです。やっぱり書道をやっている人は、下で書いてもうまいんですよ」

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「ちなみにリンゴを切るとは、どのようにやるんですか?」

「まずタコ糸をリンゴに巻いて、そのタコ糸の先をタンポンに結び、お客さんにリンゴを持ってもらって引っ張るんです」

「花電車をやるうえで大変なことは何ですか?」

「鍵盤ハーモニカを吹く時は、呼吸を止めないといけないので苦しくなりますね。それと、芸を見せているだけでは時間が持たないので、お客さんと話して場を持たせるのがけっこう大変です。花電車を知っている関西の劇場では、それなりに盛り上がってくれるんですけど、関東だとお客さんがそもそも私が何をやっているのか理解できずに、シーンと静まり返ってしまうことがあるんです」