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20年以上、花電車を続けてきた芸人としてのプライド
「花電車芸人の方に厳しい状況が続きますが、新たに花電車をやってみたいという方はいないんですか？」
「これまで、3人ぐらい教えてほしいと言って来たでしょうか。でも、みんなラッパで挫折してしまいました」
「花電車芸人になるのは、ハードルが高いんですね。ゆきみさんにとって花電車とは何でしょうか？」
「他の踊り子さんができないことをやっている、そのプライドは持っています。花電車に出会っていなかったら、これほど長くストリップをやることはなく、とっくに引退していたと思います。いつまで花電車をやれるのかわかりませんが、やれる限りはやりたい。街場の劇場に、お客さんが一気に増えることはもうないと思いますが、温泉場だと、まだ季節によってはお客さんでいっぱいになる劇場があります。そうした場所で続けていければ」
インタビューを終えて劇場の外に出ると、以前訪ねた時には劇場の横にあったカレー屋が、違う店になっていることに気がついた。芸事ばかりでなく、商売であっても世の中の変化は速く、ひとつのことを続けていくのは難しい。
ゆきみ愛は、20年以上にわたって花電車を続けてきた。ストリップ劇場という、陽の当たらない場所でコツコツと積み上げてきた年月の長さに、敬意を抱かずにはいられなかった。彼女が少しでも長く、花電車を続けていけることを願わずにはいられない。
