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2020/03/11

船内で行われていたのは「自室待機」にすぎなかった

 船内での14日間の健康観察を過ぎれば「陰性」で19日には下船としていた日本政府の当初の方針は、世論の不安に煽られるように下船日が変わったり、下船後も乗客にさらに自宅待機を求めるようになったりと、厳しいものに変わった。

「韓国での隔離を経験した立場からみれば、船内で行われていたのは『隔離』やのうて、『自室待機』にすぎなかったんです。食事を運んでくれる乗員の方は隔離されず、彼らを介した乗客の感染拡大の危険も放置されたままでした。それなのに、陰圧隔離室でなされるような隔離と同列に考えたのが間違いだったのだと思います」

配膳の様子(平沢氏提供)

 政府のぶれた対応が、現在まで続く不安を助長している、と平沢さんには映る。

 2月初めには、まだ対岸の火事だったコロナウィルスが国内問題としてクローズアップされるようになったのは、ダイヤモンド・プリンセス号の「船内隔離の14日間」を通してであった。

 高齢の乗客が多い中、医薬品の不足や乗員を介した感染リスクなど不安と隣り合わせで行われた2週間とは何だったのか。厚労省の対応は適切だったのか。私は平沢さん夫婦をはじめ、3組の夫婦と1人の乗客の生々しい証言を編んだ再現リポート「豪華客船『船内隔離』14日間の真実」を、「文藝春秋」4月号および「文藝春秋digital」に寄稿した。

出典:「文藝春秋」4月号

 船内隔離が終了する前から「船内にいる乗客はリスクが高く心配」と批判的だった米国の疾病対策センター(CDC)は今、姉妹船「グランド・プリンセス号」の対応に苦慮している。失敗の“教訓”は、生かされることになるのか。

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