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「拷問、なぶり殺しともいえる」検察主張
検察官は9日に行われた論告で、そのような被告の態度を「実質的には何も認めていない。心愛ちゃんに責任を押し付け、反省の態度は微塵も感じられず、いまだに虐待が続いている」と強く非難。執拗な虐待を「もはや虐待とは表現しきれない。拷問、なぶり殺しともいえる」と表現し、「10歳の命が奪われ、被害結果はあまりにも重大」と主張した。
裁判の最後、勇一郎被告は裁判長に「なにか付け加えることはありますか」と促され、封筒から手書きのA4紙1枚を取り出した。「みーちゃん、本当につらい思いをさせてごめんなさい。謝っても謝りきれません。どこへ行っても、私にそっくりと言われる自慢の娘でした。大好きだったのに、私が未来を奪ってしまいました」。時折、鼻をすすり、涙声で文章を読み上げた。「お話しする場をいただき、誠にありがとうございました」と締めくくり、裁判官や裁判員に深々と礼をした。
傍聴席には、新型コロナウイルスの影響で学校が休みになった、心愛さんと年の近い女の子の姿もあった。被告が頭を下げる姿はどのように映っただろうか。判決日は19日。裁判員の判断に注目が集まる。