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中身確認のため、クラスメイトの手紙を担任が回収

 6年生になると、校長が替わり、「重大事態だから、学校としても、いじめの話を聞きたい。いいですか?」と伝えてきた。調査委は公開か、非公開かを聞かれたために、母親は公開形式を選んだ。また、調査委とは別に、校長は「過去のアンケートも再調査する」と言い、教頭に指示した。その結果、Aさんを心配している児童が複数人おり、無視やバイキン扱いをしていたとの内容が書かれていたと、口頭で報告があった。

 ただ、6年生になってからも、学校対応で問題がなかったわけではない。

「4月に、仲が良い女の子が娘に教室で手紙を書いていたんです。それを他の子どもたちも見て、みんなで手紙を書くことになったというのです。私が、用事で学校に行ったとき、教頭先生が『みんなで書きました。見ましたが、内容に問題はないんで、きっと元気づけられると思う』と、手紙を手渡してくれました」(母親)

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 この時点で、担任は、クラスメイトが手紙を書いていたのを知らない。そんな中で、ある保護者が「手紙を出したのは知らなかった。中身を確認したい。傷つけたらいけない」と言ってきたために、すべての手紙が回収となった。担任の判断だったという。

状況を把握できていないチグハグな回答

「内容を確認した保護者が、問題がないと、Aさんに返したいと言ってきたのですが、担任に親としては『要りません』と言いました。その代わり、手紙を回収したことはクラスで説明してください、と言いました」(母親)

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 5月になり、教頭と担任が謝罪をした。保護者懇談会では、担任が「僕がいたらなくて、手紙を確認もせずに、Aさんに渡してしまった」と説明した。しかし、手渡したのは教頭だ。教頭は内容を確認している。そのことの説明はなかった。校長はのちに「知っていたら、手紙の回収を止めていた」とも話していたという。

 こうしたチグハグな対応があったため、学校との連絡が滞りがちだった。そんな流れの中で、12月、卒業文集の話があった。女子児童は「書くよりも、(パソコンでの)データでも大丈夫なら」と伝えた。そして、作文をメールした。