北海道札幌市内の公立小学校で、今年卒業する女子児童Aさんが書いた卒業文集の作文に、いじめについての記述があったことで、学校側は掲載をしないと決めた。しかし、保護者がTwitterでその旨をつぶやくなどした後、一転して方針が変わり、作文を掲載するとの連絡があったことがわかった。
「6年前は、卒業式に出ないなんて想像もしませんでした」
Aさんがいじめにより不登校となった件では、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」とされたことで、調査委員会が設置されている。
学校からの依頼文には「6年間の思い出の作文」とあり、分量は「縦25マス、横32マス、計800字」。テーマは「成長」「夢」「感謝」のいずれかに触れること、と記されている。「将来、大人になってから、自分や友達や家族が卒業文集を読み返した時のことを想像し、前向きで希望があふれる内容にしましょう」と説明が書かれており、「プロフィール紹介」では文字や絵などで自己紹介することが指定されていた。
この案内を踏まえて、Aさんが書いた作文のタイトルは「学校生活で学んだ事」だ。そして、内容はこのように始まった。
〈6年前は、自分が卒業式に出ないかも知れないなんて想像もしませんでした。普通に入学をして学校生活を送り、普通に卒業すると思っていました。でも私は、5年生の途中から学校生活を送れませんでした。理由はクラスメイトからのいじめです。
私は、だんだんと学校が楽しくなくなり、休み時間の事を考えると気持ちが悪くなりました〉
いじめのきっかけとなった鬼ごっこを、なぜか先生が強要
Aさんは小学校3年のときいじめにあった。きっかけは、休み時間にクラス全員で行われた、鬼ごっこだ。2時間目と3時間目の間の「中休み」や昼休みはいつも、同じことをしていた。しかし、Aさんは「面倒臭い」と思うようになり、壁にいた。すると、Aさんは1回もタッチされなくなった。その後も、教室内で避けられるようになった。
4年生のときは、自習の時間にトイレに行こうとすると、周囲の児童から「トイレに行っちゃだめなんだよ」と言われた。また、何か失敗すると、責められることがあったという。無視されたり、避けられたりしたが、Aさんは「一人で絵を描いていたり、本を読んでいた」と、当初はいじめの自覚がなかった。担任は、なぜか、鬼ごっこの全員参加を求めてきたという。
「先生も、鬼ごっこを強要していたんです。先生は、いじめとの認識はなかったと思いますが、嫌がっているのは知っていたと思います。3年生のときは、『中休みだけは全員参加』と条件を出されました。4年生のときは『運動不足解消のため、一緒にやろう』と言われたりした」(Aさん)